予備試験や司法試験の試験対策として市販で売られている基本書を利用している方も多くいると思います。特に独学で勉強している方にとっては、数ある基本書のうち、何を選べばいいのか、どのように利用すればいいのか分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
この記事では、基本書の近い方や、予備試験と司法試験におすすめの基本書を科目別にご紹介します。これから基本書を購入することを検討している方は、是非参考にしてみてくださいね。
1 司法試験と予備試験の基本書とは?
基本書に明確な定義はありませんが、一般的に、基本書とは学者や実務家が書いた法律の専門書になります。
市販で売られている基本書は分厚く、全て読み終えるのにも相当の時間を要すると思いますが、ここで注意しなければならないのは、基本書はあくまで法律の専門書であって、予備試験対策を目的とした書物ではないということです。
したがって、基本書に書いてあること全てを暗記しなければ司法試験や予備試験に合格できないということでもなく、また、全て暗記したところで司法試験や予備試験に合格できるという関係にもありません。
また、学者が書いている専門書ということもあり、書いてある内容も比較的難しく感じるかもしれません。人によっては読みやすさなど、好みも分かれる場合があります。
2 司法試験と予備試験の基本書の使い方
基本書は、法律の隅々まで解説されているので、司法試験、予備試験にとってはマイナーな知識も書かれています。しかし初学の段階では、どの知識が重要でどの知識が重要でないかの判別がつかないので、最初から基本書を通読しようとしてしまうと、重要な知識の取捨選択ができずに全てのことを理解しようと時間をかけてしまう恐れがあります。司法試験、予備試験の勉強を始めたばかりの段階では、10ページ読み進めるのに1時間程かかることも普通にあります。
では、なぜ基本書を利用するのか?と疑問を抱くと思います。
基本書は、学問を理解する上では非常に有益といえます。例えば、過去問や演習書などアウトプットをする機会に出てきた疑問について、基本書を参照することで答えが見つかることがあります。実際に多くの司法試験受験生や予備試験受験生は、基本書を辞書的に利用していることが多いです。
また、基本書を読むことで、法律の全体像を理解することにも繋がります。こちらはどちらかというと基本書の中でも入門書に近いものを利用し、ざっと読んで、法律の体系を理解することができるので、初学者にとっては、入門書を一度読んでみると、各論の学習に入りやすいかもしれません。
3 資格スクエアの基本書の紹介
ここでは、オンライン予備校「資格スクエア」が教材として提供している基本書をご紹介します。
(1) 憲法
芦部信喜著・高橋和之補訂『憲法[第7版]』(2019年、岩波書店)
(2) 行政法
稲葉馨・他『行政法(LEGALQUEST)[第4版]』(2018年、有斐閣)
(3) 民法
(4) 商法
伊藤靖史・他『会社法(LEGALQUEST)[第5版]』(2021年、有斐閣)
(5) 民事訴訟法
三木浩一・他『民事訴訟法(LEGALQUEST)[第3版]』(2018年、有斐閣)
(6) 刑法
佐久間修・他『刑法基本講義 総論・各論[第3版]』(2019年、有斐閣)
(7) 刑事訴訟法
宇藤崇・他『刑事訴訟法(LEGALQUEST)[第2版]』(2018年、有斐閣)
(8) 倒産法
(9) 租税法
(10) 経済法
(11) 労働法
(12) 国際私法
国際関係私法入門 — 国際私法・国際民事手続法・国際取引法 第4版補訂
4 サマリー
以上がおすすめの基本書と使い方についての紹介になりますが、基本書が自分に合うか心配な方は、実際に書店で手に取って少し読んでみるのも良いかもしれません。
基本書の使い方には気を付けて予備試験、司法試験の勉強を進めていってください!
5 まとめ
- 基本書は学者が書いた法律の専門書で、予備試験対策のための書籍ではない
- 基本書は学問を理解する上でとても有益
- 司法試験対策、予備試験対策としての基本書の使い方としては、分からないことや疑問について辞書的に利用する
- 入門書に近い基本書については、法律の全体像を理解するため通読するのがおすすめ