予備試験短答式試験の難易度はどのくらい?コツコツやれば必ず突破できる!

予備試験

1 予備試験の短答式とは?

予備試験の短答式試験とは『短答』などと略称されることもあります。試験形式は、マークシートによる選択問題(合計8科目)です。基本的な知識はもちろんのこと短答プロパーと呼ばれる細かな知識が問われることも特徴です。

短答式試験について、今一度確認しておきましょう。

◆予備試験の流れ◆

司法試験予備試験のしくみ

このように予備試験の短答試験に合格しなければ、論文式試験にコマを進める事ができません。何としてでも最初の関門を突破したいところですよね。
そんなはじめの第一歩として重要なポイントとなる短答式試験ですが、どのような科目があり試験時間はどのくらいあるのでしょうか?

次に、予備試験全体の試験概要について見ていきましょう。

 

2 予備試験の試験概要

令和4年度の予備試験の試験概要を確認しておきましょう。

 

◆出願期間 令和4年1月17日(月)〜令和4年1月28日(金)

◆受験票発送 令和4年4月22日(金)頃を予定

◆試験日程

 (1) 短答式試験

【試験期日】 令和4年5月15日(日)

【試験地】札幌市又はその周辺、仙台市又はその周辺、東京都又はその周辺、名古屋市又はその周辺、大阪府又はその周辺、広島市又はその周辺、福岡市又はその周辺

※各試験地における試験場については、令和4年4月頃、官報及び法務省ホームページでお知らせします。

【合格発表】令和4年6月2日(木)午後5時頃

(法務省ホームページhttp://www.moj.go.jp/にて発表)

集合時間 着席時間 試験時間 試験科目
8:45 9:15 9:45〜11:15(1時間30分) 民法・商法・民事訴訟法
  ― 11:45 12:00〜13:00(1時間) 憲法・行政法
  ― 14:00 14:15〜15:15(1時間) 刑法・刑事訴訟法
  ― 15:45 16:00〜17:30(1時間30分) 一般教養

 

 

 (2) 論文式試験

【試験期日】 令和4年7月9日(土)、10日(日)

【試験地】札幌市、東京都又はその周辺、大阪市又はその周辺、福岡市

※短答式試験を仙台市(又はその周辺)で受験した方は東京都(又はその周辺)、名古屋市(又はその周辺)又は広島市(又はその周辺)で受験した方は大阪市(又はその周辺)での受験となります。

【合格発表】令和4年10月20日(木)午後4時頃

(法務省ホームページhttp://www.moj.go.jp/にて発表)

 

試験期日 集合時間 着席時間 試験時間 試験科目
7月9日(土) 8:30 9:00 9:30〜11:50

(2時間20分)

憲法・行政法
 ― 13:00 13:15〜15:35

(2時間20分)

刑法・刑事訴訟法
 ― 16:15

 

16:30〜17:30(1時間) 選択科目【倒産法・ 租税法・ 経済法・ 知的財産法・ 労働法・ 環境法・ 国際関係法(公法系)・ 国際関係法(私法系)】※いずれか1科目を選択
7月10日(日) 8:30 9:00 9:30〜12:30(3時間) 法律実務基礎科目

(民事・刑事)

 ― 13:45 14:00〜17:30(3時間30分) 民法・商法・民事訴訟法

 

(3) 口述試験

【試験期日】 令和4年11月5日(土)、6日(日)

【合格発表】令和4年11月17日(木)午後4時頃

(法務省ホームページhttp://www.moj.go.jp/にて発表)

【試験地】東京都又はその周辺

 

受験に関するお問い合わせ先は以下のとおりです。

法務省大臣官房人事課 司法試験予備試験係

Tel:03-3580-4111(代)

問い合わせへの対応:9:30〜12:00、13:00〜18:00

(土曜日、日曜日及び祝日などの休日を除く)

※この情報は令和4年4月現在のものとなりますので、詳しくは法務省のホームページで確認してくださいね。

参照元:法務省http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji07_00041.html

 

3 予備試験の短答式の難易度(合格率)はどのくらい?

予備試験の概要はお分かりいただけたかと思います。

それでは、いったい予備試験における短答の難易度(合格率)はどのくらいなのでしょうか?

(1) 予備試験の短答式の難易度(合格率)について

気になる短答式試験結果は以下の通りです。

年度 年度 受験者数 合格者数 合格率
平成23年 2011 6,477 1,339 20.67%
平成24年 2012 7,183 1,711 23.82%
平成25年 2013 9,224 2,017 21.87%
平成26年 2014 10,347 2,018 19.50%
平成27年 2015 10,334 2,294 22.20%
平成28年 2016 10,442 2,426 23.23%
平成29年 2017 10,743 2,299 21.40%
平成30年 2018 11,136 2,661 23.90%
令和元年 2019 11,780 2,696 22.89%
令和2年 2020 10,608 2,529 23.84%
令和3年 2021 11,717 2,723 23.24%
令和4年 2022 13,004 2,829 21.75%

参照:法務省 司法試験予備試験短答式結果

例年20%台を推移しており、思っていたよりも高い合格率であるという感想をお持ちになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?およそ5人に1人は合格できる計算になりますね。

 

また、配点に関しては、以下の通りとなっています。

◆法律7科目・・・・・各30点

◆一般教養・・・・・60点       合計270点満点

 

『合格点』は160点〜170点程で、およそ6割が得点できていれば合格できる試験です。満点合格ではなく、6割程が得点できていれば合格に手が届くのですから現実的なものとして捉える事ができますよね。

決して天才だけが合格する試験ではないという事がお分かりいただけたのではないでしょうか。法律の基本的な知識を備えて対策を行えば合格する事ができる試験と言っても過言ではありません。

しかしながら、法律科目は7科目もあり一般教養科目と合わせると8科目と広範に及びます。また、各科目全ての範囲から満遍なく出題される事から『合格点』を獲得するためには“網羅的かつ出題傾向を抑えた勉強の対策”が求められます。

『合格点』を取る事を目標とした効率の良い得点方法はあるのでしょうか?

 

(2) 予備試験の短答式の得点のポイント

◆得点しやすい科目・・・・・ 民法/民事訴訟法/憲法/刑法/刑事訴訟法

◆受験生が苦手とする科目・・・商法/行政法

 

【予備試験 短答科目別平均点】

科目
                   平均点
平成28年 平成29年 平成30年 平成31年 令和2年 令和3年 令和4年
憲法(30点満点) 17.6 16.7 16.8 14.7 21.5 16.7 19.8
行政法(30点満点) 14.8 12.4 12.4 12.1 14.4 10.7 12.8
民法(30点満点) 16.3 16.3 14.7 20.3 12.7 17.3 15.2
商法(30点満点) 12 14.3 12.8 14.2 12.8 16.0 10.9
民事訴訟法(30点満点) 15.6 13.1 14.7 17.8 15.1 14.6 15.1
刑法(30点満点) 17.5 17.3 15.7 14.5 14.5 17.3 17.1
刑事訴訟法(30点満点) 16.5 15.3 16.1 15.6 13.5 14.6 15.9
一般教養(60点満点) 24.3 24.5 27.9 24.7 24.3 24.9 21.2

参照:法務省「 司法試験予備試験短答式結果」

 

一般的には、商法を除く民事系、行政法を除く公法系・刑事系の得点が高い傾向があります。これは、日常生活に密接した法律である事から誰もが一度は「この場合どうなるの?」などと法律について考える機会があるからとも言えます。

例えば、民法であれば売買や相続、結婚、養子などの問題は、テレビや映画でも題材とされる事が多く度々見聞きする事がありますよね。

また、刑事系では「友達と喧嘩して怪我をさせちゃったけどこれって罪になるの?」などと言った例が挙げられます。

一方で、受験生が苦手とする科目のうち商法に関しては、条文が複雑で難しい事が苦手意識を植えつけてしまう要因となっているのではないでしょうか。また、学生にとってはあまり親しみのない事柄が多い事からイメージしづらい事も要因の一つとなっているとも言えます。まずは、大きな枠組みを捉え会社というものがどのように作られ作用しているのかをイメージし、細かな要件は徐々に埋めていくと良いかもしれませんね。

司法書士の学習経験のある方は、商法に関しては大きなアドバンテージとなりますので自分の強みとして自信を持って勉強を進めてくださいね。

 

法律科目7科目に関しては、いわゆる“捨て科目”を作る事はおすすめしません。

 

いずれの科目も、先に触れたように基本的な事が問われる試験ですので、粘り強くコツコツとテキストと六法、過去問を用いて勉強するべきと言えます。

得点のポイントと断言できるかは一概には言えませんが、どの科目も問題に対する具体的な事例のイメージを思い浮かべながら勉強する事が頭に入ってきやすいのではないでしょうか。ひたすら暗記をし続けるのはとても辛い作業ですし、勉強自体が楽しくなくなってしまいますよね。

 

そして、唯一優先順位で劣ると言える科目が『一般教養』です。

法律科目2科目分に及ぶ高配点(60点満点)ですが、多くの受験生が特別な対策をして試験に臨んでいるわけではありません。

なぜなら、問題自体の難易度が高く出題範囲(人文科学/社会科学/自然科学/英語)も広範囲に及ぶにもかかわらず、司法試験の試験科目にはなっていないからです。

4 サマリー

予備試験の短答式試験は、基本的な法律知識を備えれば特別優秀ではなくとも合格する事ができる試験であるという事がお分かりいただけたのではないでしょうか。しかしながら、法律7科目に捨て科目を作る事はおすすめではありません。5月の短答式試験まで残り僅かですので、毎日コツコツと勉強を積み重ねて最終合格を掴み取ってくださいね!

 

5 まとめ

  • 今年度の試験期日は、令和4年5月15日(日)である
  • 予備試験の短答式の試験科目は、法律科目7科目(民法/商法/民事訴訟法/憲法/行政法/刑法/刑事訴訟法)一般教養を合わせた8科目
  • 予備試験の短答式の合格率(難易度)は例年20%ほどを推移しており天才だけが合格する試験ではない
  • 予備試験の短答式の科目の中では、商法・行政法を苦手としている受験生が多く、馴染みのある民事系・刑事系は得点しやすい傾向にある
  • 毎日コツコツと過去問・テキスト・六法を用いた勉強を積み重ね、基本的な法律知識の定着が合格への近道!
  • いわゆる“捨て科目”を作るべきではないが、優先度で劣る科目は一般教養であり例年特別な対策をしている受験生は少ない
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