予備試験では、短答式試験は丸一日、論文式試験は丸2日と、長丁場の試験になります。
そのため、体力的にも精神的にも苦しい試験となります。そのような中で、思ってもいないアクシデントが発生すると、それだけで集中力が欠けてしまい、本来の力を発揮できない状態もありえます。不測の事態を防ぐためにも、法務省が掲載している注意事項をよく読んでおくことが重要です。
今回は、法務省が掲載している注意事項をピックアップして、受験生が押さえておいたほうが良い点をまとめました。また、試験当日の会場の雰囲気についても、記載しています。是非、参考にしてください。
1 受験票に関する注意事項
⑴ 受験票の届く時期
短答式試験の受験票は、例年4月後半に発送されます。(令和4年度の予備試験では、4月22日に発送予定と明記されていました。)
論文式試験の受験票は、6月中旬に発送されます。
口述式試験の受験票は、10月下旬に発送されます。
このように、受験票は、各試験日の直前に届きます。願書を提出してから、すぐに受験票が届くわけではありませんので、すぐに受験票が届かなくても焦らないようにしましょう。
⑵ 受験票をなくした場合の対処法
受験票を紛失した場合には、試験当日に、試験場で仮受験票の交付を受けることで、受験を行うことが可能となります。
他方で、仮受験票の交付を受けるためには、本人確認のために、運転免許証の写真付きの身分証明書が必要となります。受験票を紛失した場合には、身分証明書を忘れずに受験会場へ向かうよう気を付けてください。
仮受験票の交付は、各試験場の試験事務室で行われます。仮受験票の交付には、時間がかかることが予想されるため、時間に余裕をもって、受験会場へ向かうようにしましょう。
2 試験会場に関する事項
⑴ 受験地はどこか
試験場については、試験ごとに会場が異なります。
試験場については、例年4月上旬に公表される予定です。
【短答式試験】
札幌市又はその周辺、仙台市又はその周辺、東京都又はその周辺、名古屋市又はその周辺、大阪府又はその周辺、広島市又はその周辺、福岡市又はその周辺
【論文式試験】
札幌市、東京都又はその周辺、大阪市又はその周辺、福岡市
【口述試験】
東京都又はその周辺
受験会場については、自分が居住している場所に近い会場を選択することが可能です。ただ、「その周辺」と記載されている通り、記載されている都道府県で必ずしも受験会場が指定されるわけではありません。
過去には、「大阪市又はその周辺」である兵庫県の大学が受験会場となったこともありますので、注意しましょう。
他方、短答式試験をクリアして、論文式試験、口述式試験と続くうちに、受験会場も少なくなってきます。特に、地方に居住している方は、近隣のホテルに宿泊する等も視野に入れておく必要があります。
⑵ 受験する会場の部屋はいつわかるのか
試験室については、受験票に記載されていません。
試験室がわかるのは、受験当日です。
試験会場に、掲示がされていますので、その掲示をみて、受験票と照らし合わせることで、どの試験室かわかります。
⑶ 試験会場を間違えてしまったら…
試験会場を間違え、試験開始時間に間に合わない場合、受験をすることができません。
そのため、余裕がある方は、事前に下見を済ませる等して、受験会場がどこにあるか把握しておくことをおすすめします。
また、試験会場には、大学のキャンパスが指定されることも多いです。大学には、複数のキャンパスがあることも多いため、どのキャンパスなのか間違わないよう事前に注意しましょう。
⑷ 遅刻しても受験できる?
試験開始時刻までに試験室に入室しない場合、その試験科目を受験することができません。
遅刻しないよう時間には細心の注意を払いましょう。
⑸ 試験会場までは車で行っていい?
受験会場には、受験生のための駐車場はありません。
法務省も、自動車や自転車での来場を控え、交通機関を利用するよう明記しています。
なお、公共交通機関を使用する場合、電車が遅延する等の理由により、当初の時間通りに受験会場へ到着することができないアクシデントが発生する可能性も考えられます。そのため、時間に余裕をもって、受験会場へ向かうようにしましょう。
また、最悪の場合、タクシーを利用することも想定されます。念のため、受験会場へ向かう際には、タクシー代をもっておくことをおすすめします。
3 受験上の注意事項
⑴ 昼ごはんは教室内で食べられる?
昼食は、教室内で食べることができます。
ただし、昼食時間以外の飲食は、教室内で行うことができません。
⑵ 試験中、トイレに行きたくなったら…
試験時間にどうしてもトイレに行きたくなる場合もあるでしょう。
その場合、黙って手を上げてください。試験監督の指示に従い、トイレに行くことができます。
しかし、トイレに行けば、その分、試験時間も短くなります。やむを得ない場合は、仕方ないですが、なるべく試験中にトイレに行かないで済むように、試験前には必ずトイレに行くようにしておきましょう。
なお、コーヒーや栄養ドリンクは、利尿作用を促進させる働きがあります。これらの飲料の飲みすぎには注意しましょう。
⑶ 座布団等は使える?
座布団等を使用することは可能です。
特に、短答式試験が行われる5月は、肌寒いことも多いです。身体が冷えれば、トイレの回数を増やす要因ともなります。心配な方は座布団等を用意しておきましょう。
⑷ ティッシュやハンカチって使える?
ティッシュやハンカチを使用することはできます。
ただし、いずれも、あらかじめ、机の上に置いておく必要があります。試験時間中にかばんの中から取り出すことはできません。
なお、ポケットティッシュの場合、ケースから出して、中身のティッシュだけを机の上へ置く必要があります。
⑸ コンタクト装着で受験票の写真は撮影したけど、当日はメガネでもいい?
コンタクトを装着して撮影した写真を提出していたとしても、受験当日にメガネをして受験をしても差し支えありません。
⑹ 当日、使える筆記用具は?
【当日、使用できる筆記用具】
鉛筆、消しゴム、ボールペン、万年筆、ラインマーカー、色ペン、色鉛筆、シャープペンシル
【当日、使用できない筆記用具】
鉛筆のキャップ、定規、付箋、カッターナイフ、指サック、筆記用具入れ等
⑺ 休み時間なら会場内でも携帯電話は使える?
休み時間内であっても、試験室内では、携帯電話をはじめとする電子機器類を使用することができません。
受験生の中には、試験前に見返すテキスト等を電子化している方もいるでしょう。
しかし、試験室内では、その電子化されたテキストを見ることができませんので、注意してください。他方で、試験室内から出れば、会場内(廊下等)であっても携帯電話をはじめとする電子機器を使用することはできます。
4 試験会場の雰囲気
⑴ 休憩時間のトイレは激込み
休憩時間のトイレは、混みあいます。
特に、試験終了直後と、着席時間直前の時間帯は、混みあうこと予想されます。トイレに行く際は、時間帯に注意してください。
⑵ 答え合わせマンに気を付けよう!
例年、試験終了後に、答え合わせを行う受験生が必ずいます。その中には、自身の回答と異なる結論が正解と話している場合には、不安になるかもしれません。しかし、必ずしもその回答が正解であるとは限りません。
むしろ、そのような不確定な情報を根拠に落ち込んでしまい、次の試験に引きずって全力のパフォーマンスが出せないほうがよくありません。
答え合わせを行っている受験生がいたとしても、無視して、次の試験に集中しましょう。
⑶ お昼ごはんは事前に購入しておこう
先ほど、述べた通り、お昼ごはんを試験室内で食べることが可能です。
そのため、昼食時間に、最寄りのコンビニで昼食を購入することを検討している方もいるでしょう。
しかし、試験会場内のコンビニや、最寄りのコンビニは、昼食を購入する受験生が集まり、レジで長蛇の列ができます。そのため、昼食は、事前に購入しておくことをおすすめします。
また、お昼ご飯を食べ過ぎると、眠たくなったり、おなかの調子に影響を与えたりします。おにぎりやサンドイッチなど、食べやすく消化の良い食べ物を選びましょう。
⑷ コーヒーや栄養ドリンクの飲みすぎに注意
受験生の中には、コーヒーや栄養ドリンクを試験前に飲むことで、気合を入れる方もいるでしょう。
しかし、これらの飲料は、利尿作用がありますので、飲みすぎると、試験中にトイレに行きたくなるおそれもあります。
これらの飲料の飲みすぎには、くれぐれも注意しましょう。
⑸ 受験票に貼付されているシールを持っていくのを忘れずに!
受験票には、バーコードが記載された受験番号シールが同封されています。
例年、封筒から受験票だけを取り出して試験会場へ持っていき、受番号シールを忘れる受験生が多々いますので、注意しましょう。
受験番号シールを忘れないためにも、封筒ごと持っていくことをおすすめします。
⑹ 時計は忘れないこと
試験会場内には、時計が設置されていない場合があります。
そのため、時計の持参を忘れてしまうと、残り時間を把握することができません。
予備試験は、時間との勝負という側面もあるため、必ず時計は持参するようにしましょう。また、時計の故障の可能性も考慮し、念のため、二つ時計を持参することをおすすめします。
5 サマリー
この記事では、法務省のQ&Aから、受験生のみなさんが気になる点をまとめてみました。
また、受験当日の雰囲気についても、リアルな声を掲載しました。試験当日は、いつもより緊張する方が多いはずです。
この記事を読んでおけば、少なくとも、受験当日に、余計な心配をしなくて済むはずです。受験生のみなさんが今まで勉強してきた力を最大限発揮できるためにも、是非、この記事を参考に受験当日の状況をイメージしてみてください。