司法試験合格に必要なのはインプットよりもアウトプット!

司法試験

司法試験は、出題範囲も広く、勉強量も膨大なため、最初はひたすら基本書や講座を見てインプットに時間を割く受験生がほとんどだと思います。ただ、インプットといっても、最初から全てを理解することは難しく、途中で挫折してしまう方も多いのではないでしょうか。

意外に思われるかもしれませんが、実は、司法試験においてはアウトプットの方が重要なのです。この記事でそのことについて詳しく解説します。

1 司法試験におけるインプットの重要性

司法試験では、短答式試験では3科目、論文式試験では8科目から出題され、法律科目としては合計で8科目あります。各科目ごとの出題範囲もとても広く、勉強量も膨大なため、まずは基本書やテキストなどを読むという方がほとんどなのではないでしょうか。

実際に初学の段階では、インプットから入ることが重要ですが、インプットといっても、基本書に書いてあること一言一句を覚えようとしたり、理解しようと時間を割いてしまうと、学習が大幅に遅れてしまうかもしれません。

司法試験においては、基本的な知識や基礎を理解することが重要になります。例えば、民法の基本原則や、憲法の三原則などです。

また、法律においては、法律の体系や全体像を理解することが重要になります。

インプットといっても、理解すべき事項ごとに重要度が違うので、インプットをする際には、全てを理解しようとするよりも、どのようにインプットするかが大事になります。

さらに、後に紹介しますが、司法試験ではインプットだけをしても合格できません。論文式試験では8枚にわたり答案を書かなければならず、アウトプットの訓練をしなければ合格できないからです。

なかなか基本書やテキストを読んでいても理解が進まないという方は、もしかしたらアウトプットが不足している可能性もあります。

インプットの方法で悩むよりも、まずは一通りインプットが終わったらアウトプットの勉強に移行することをおすすめします。

2 司法試験ではインプットよりもアウトプットが重要な理由

(1) 論文式試験が最大の山場

司法試験では、短答式試験と論文式試験の2種類ありますが、短答式試験は3科目であるのに対して、論文式試験は8科目あり、また点数の割合も論文式試験の方が大きいため、論文式試験でいかに点数を稼げるかが重要になります。

論文式試験が最大の山場になるということになります。

論文式試験では、その名の通り、論文式なので、答案用紙に論述していかなければなりません。これができるようになるためには、論文を実際に書くというアウトプットの練習をする以外にありません。

もっとも、実は多くの受験生がアウトプットで躓いてしまうポイントでもあります。

例えば、インプットが一通り終わった後にアウトプットの練習をし始める段階で、理解したはずの知識なのにうまく答案に書けないといった経験はありませんか?

実は、インプットだけをしていても、これを実践で活かす方法が分からないため、アウトプットで活かすことができないのです。

また、例えば、模試や試験本番で思っていたよりも実力が発揮できず、あまり成績が良くなかった場合に、「インプットが足りていなかった」といった敗因分析で片付けてしまい、ひたすらインプットだけしてしまうといった経験をしている方もいるかもしれません。

こういった勉強法では、アウトプット力が落ちてしまい、誤った勉強法に偏ってしまう危険性があります。

論文式試験が合格のための最大の山場であることからすれば、いかにアウトプットの練習が重要であることか分かると思います。

また、論文が書けるようになるまでには、練習量が必要になるので、いかに早い段階でアウトプットの練習を始められるかも重要になります。

(2) アウトプットを通してインプットの質が上がる

アウトプットが重要だという話をしましたが、インプットが重要ではないというわけではありません。

実は、インプットもアウトプットも、両輪の関係にあるといえます。

例えば、短答の問題集を解く際に、間違えた肢について解説を読んで、「なるほど、そういうことか」と間違えてしまった理由が分かるのと同時に、間違えた問題については、より記憶に定着するといった経験はありませんか?

このように、アウトプットをしたあとにインプットをすることで、インプットによる記憶の定着に繋がり、インプットそのものの質も上がります。

基本書やテキストを読んでもなかなか理解が進まないという方は、短答の問題集や過去問を解いたり、論文を書いてみるといったアウトプットを先行させることによって、インプットの質も上がり、理解が進むこともあるのです。

どのように論文で書くのか、どの点が論文では重要かということを意識しながら基本書やテキストを読むことが実は効果的といえます。

また、これを繰り返すことによって、インプットをする際に、どういった点が重要なのか、アウトプットを意識したインプットができるようになります。

(3) アウトプットを通して敗因分析ができる

特に論文では、実際に答案を書いてみないと、自分に何が足りていないかを分析することができません。

敗因分析は、司法試験に合格するための重要な要素で、合格ラインにのるために必要なことが分析できないと、どのような勉強をしても合格に到達することができません。

ただ、これには、客観的な視点から敗因分析をしなければならないため、意外と受験生の立場から正しく敗因分析をすることが難しく、単純に知識が足りていないと感じて基本書ばかり読み続けてしまい、誤った勉強法に陥ってしまう方もいます。

正しく敗因分析をするためには、予備校の答案添削などを受けることが便利なので、添削をしてもらったことがない方は、是非利用してみるのをおすすめします。

3 司法試験のインプット方法で悩んでいる方へ

これまでアウトプットの重要性をご紹介してきましたが、前にもお話したように、インプットとアウトプットは両輪の関係にあるので、インプットを疎かにしてよいということではありません。

では、どのようにインプットの質を上げていくかという点について、一例をご紹介します。

初学者の方は、まずは基本書やテキストを読み始めると思いますが、最初は法律の全体像がどのようなものなのかを理解することが大事になります。

最初から分厚い基本書を読むよりも、1日でさらっと読める入門書を読んでみるのも良いかもしれません。

最初から書いてあることを一言一句覚えようとしたり、理解しようとすることはしなくて大丈夫です。

書いてあることの2割程度理解できていれば足りるといった意識でも構いません。

法律の全体像がなんとなく分かるようになった後に、個々の各論の知識を入れていくといったイメージになります。

そして、一通りインプットが終わった段階で、アウトプットの練習に入りましょう。

最初はアウトプットができなくても当然です。重要なのは、分からないことや理解できないことについて、随時基本書やテキストに戻り、再度インプットをするということです。これをすることによって、最初は分からなかったことが分かるようになり、記憶の定着に繋がるためインプットの質が上がります。

これを繰り返すことで、だんだんと理解が深まっていき、基本書の中でもどのような情報が試験で重要なのかが分かるため、必要な知識の取捨選択ができます。

インプットで悩んでいる方は、是非これを参考に実践してみてくださいね。

4 サマリー

これまで、インプットとアウトプットを切り離して考えていた方は、是非上記の方法で実践してみてくださいね。

5 まとめ

・司法試験においては、基本的知識や基本原則がインプットにおいて重要

・司法試験では、インプットよりもアウトプットが重要な理由として、①論文式試験が最大の山場であること、②アウトプットを通してインプットの質が上がる、③アウトプットを通して敗因分析ができる

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