司法試験合格と年齢の関係は?合格者の年齢データから徹底分析

司法試験

文系最高峰の難関国家試験と呼ばれる司法試験は、合格すれば法曹への道を歩むことができることから、高い志をもった人たちが毎年しのぎを削っています。

 

“司法試験合格”は、並大抵の努力では通ることのできない非常に狭き門ですが、どのような年齢層の方々が合格しているのでしょうか?

「若い人じゃないと合格できないのでは?」

と思われている方も少なくないのではないでしょうか。結論からいえばそのようなことはありません。

 

この記事では、法務省が発表している客観的なデータから司法試験合格者の年齢に関する事柄を解説していきます。是非、ご参考になさってください。

 

1 司法試験合格者の年齢

法務省のデータによれば、司法試験合格者の年齢に関するデータは以下のような結果となりました。平均年齢は、平成18年からほぼ横ばいで20代後半を推移していることがわかります。

 

【司法試験合格者の年齢等に関する推移】

平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年
平均年齢 29 29 29 29 29 29 29 28 28 29 28 29 29 29 28 28
最高年齢 58 56 59 55 66 60 63 57 65 68 66 71 68 65 69 69
最低年齢 23 24 24 24 24 23 21 20 22 21 21 21 19 20 20 18
年齢差 35 32 35 31 42 37 42 37 43 47 45 50 49 45 49 51

(平均年齢は法務省公開のデータより小数点第1位を四捨五入)

(法務省発表のデータを参考に作成)

平成29年においては、最高年齢が71歳という驚きの結果が出ました。それ以外の年では、平成18年の58歳から年々右肩上がりとなっており60代後半の合格者が誕生しています。

 

他方で、平成18年においては最低年齢は23歳であり、微増減を経て僅かながら若年化傾向にあることがおわかりいただけるのではないでしょうか。令和3年度に司法試験合格者の最低年齢が更新されました。ニュースでも「今年の司法試験合格者の最低年齢18歳」などと取り上げられましたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

最高年齢と最低年齢の年齢差に関してはどうでしょうか。こちらに関しては、毎年大きく異なっているものの平成18年から現在に至るまでを見てみると右肩上がりの傾向にあります。

 

以上のことから、司法試験は年齢問わず、「受験資格」さえ有していれば目指すことのできる難関国家試験であり「合格が可能」な試験であるということがいえます。

 

ここにいう司法試験の「受験資格」とは、いったいどのようにして得られるのでしょうか?

以下で、詳しく見ていきましょう。

2 司法試験の受験資格に年齢はない

先にも見てきたとおり、司法試験は難関国家試験であることは間違いありませんが、「受験資格」に年齢制限はなく誰もが受験できる試験です。

 

【司法試験の受験資格】

◆法科大学院修了者(法科大学院ルート)

◆予備試験合格者(予備試験ルート)

 

しかしながら、年齢制限はないといっても司法試験の受験資格を得るためには、上記2つのルートのうちいずれかを満たさなければなりません。

 

一般的には、法科大学院ルートの場合は20代半ばくらいで受験することになる可能性が高いですが、予備試験ルートであれば社会人経験を経てからなど、年齢問わず司法試験を目指すことが可能です。例えば、かつて司法試験を目指していたけれど、経済的な事情などにより断念せざるを得なかった方にとっては、高額な学費のかかる法科大学院に通わなくても司法試験の受験資格が得られる「予備試験」という試験制度は大変魅力的なのではないでしょうか。

 

また、一概にはいえませんが、近年では就職面や将来設計において選択肢が広げられることなどを理由として、予備試験ルートが人気です。現役の高校生や大学生も受験していますし、今後ますます司法試験合格者の低年齢化が加速するかもしれませんね。

 

一方で、超高齢化社会により、定年後のキャリア形成を考えるシニア世代の司法試験合格者も最高年齢の引き上げに影響していると考えることができそうです。今後は、「司法試験合格」という高い目標をもち、ライフワークの一環として勉強をするミドル世代、シニア世代受験生が増えるかもしれませんね。

 

このように、司法試験の受験資格に年齢制限はありませんので、ご興味をもたれた方はご自分に合ったルートで司法試験を目指されてみてはいかがでしょうか。

3 サマリー

司法試験は、「受験資格」さえ有していれば年齢に関係なく受験することができる難関国家試験です。司法試験合格者の最低年齢は18歳(令和3年度)、最高年齢は71歳(平成29年度)という結果が出ていますので『思い立った時が勉強の始め時』といえるのではないでしょうか?!また、最短ルートで合格を目指すのであれば、経済的・時間的負担の少ない予備試験ルートがおすすめです。

 

4 まとめ

  • 司法試験合格者の過去のデータより|最低年齢は18歳(令和3年度)、最高年齢は71歳(平成29年度)
  • 司法試験の受験資格に年齢は関係ない(ただし、法科大学院修了者or予備試験合格者のいずれかの要件を満たすことが必要)

 

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