司法試験では、1科目につき8枚(A4用紙)の答案用紙が配られます。8枚まで書ききる必要はありませんが、それでも相当量の答案を書かなければならないので、筆記用具選びは重要になります。
なるべく疲れないボールペンや書きやすいボールペンがないか様々試している受験生の方もいると思います。この記事では、なぜ重要なのか、またボールペンを選ぶ際のポイントについて解説するので、是非参考にしてみてくださいね。
1 司法試験で重要視されるボールペン選び
司法試験では、指定の筆記用具として、黒インクのボールペン又は万年筆を利用することが決められています(法務省のホームページ)。
参考に、法務省のホームページでは、以下のように記載されています。
「指定の筆記具(黒インクのボールペン又は万年筆(ただし,インクがプラスチック製消しゴム等で消せないものに限る。))以外で記載された答案は,機械で正確に読み取れないおそれがあり,零点となる場合があります。 」(令和3年司法試験に関するQ&Aより)
したがって、例えば青インクのボールペンやシャープペンで記載された答案は、ゼロ点になってしまう可能性があるので、ご注意ください。
また、各科目につき8枚まで答案用紙が配られ、書く分量は科目や受験生個人の筆量や文字の大きさにもよりますが、およそ6枚~8枚まで書く受験生が多いので、試験時間内に書ききるために筆記の訓練をしている方も多いと思います。
例えば、司法試験の1日目では、選択科目、憲法、行政法の順番で試験時間を合計すると7時間になります。選択科目の試験時間は3時間、憲法と行政法の試験時間は2時間なので、憲法、行政法の答案構成をする時間を30分であることを想定しても、1科目につき90分ほど答案を書き続ける計算になります。
また、論文は1日目、2日目、3日目と続く中で、特に4日目は相当の疲労が溜まっている状態で答案を書きます。
初めて答案を書いてみると分かるのですが、相当の体力を使うので疲労も溜まり、腱鞘炎を発症してしまうケースもあるので、ボールペン選びは実はとても慎重になる必要があるのです。
ボールペンは消耗品なので安くても良いという方もいるかもしれませんが、書きやすさ次第で実際に答案を書く速さや文字の見た目も大きく変わるので、まだボールペン選びをしていない方は、是非この機会に様々なボールペンを試してみるのをおすすめします。
2 司法試験においてボールペンを選ぶ際のポイント
(1) 実際に書いてみて試す
当たり前かもしれませんが、まずは気になるボールペンを実際に書いて試してみるのをおすすめします。
この際に、実際に過去問を解いてみて、答案を書ききった後の感触で、自分に合っているかそうでないかを実感してみてください。
また、ボールペンのペン先が太い方が文字がきれいに見えるので、字がきれいに書けないという方は、少し太目のボールペンを使ってみるのもおすすめです。
(2) 「筆圧のいらない」「早く書ける」「疲れない」ボールペンを選ぶ
答案を書き続けるためにも、ボールペンを選ぶ際には、①筆圧のいらない、②早く書ける、③疲れないボールペンを選ぶのがおすすめです。
筆圧のいるボールペンを使うと、その分手に力を入れなければならないので体力を消耗してしまいます。
インクが出やすいボールペンは筆圧がいらず、かつ早く書きやすいので、インクの出やすさなども是非考慮してみてください。
(3) 万年筆がおすすめ
万年筆は、実は多くの受験生が利用しています。その理由として、万年筆はボールペンに比べてインクが出やすいので、筆圧がいらないこと、太字なのできれいな文字が書けることなどが挙げられます。また、万年筆は書きやすいといった点も大きなメリットです。
他方で、万年筆はインクの消耗が早いので、その分インク代の費用がかかってしまうことです。また、万年筆の単価もボールペンに比べて高いので、買ってみたけど合わなくて失敗してしまう場合もあります。
(4) インクの残量が分かるものを選ぶ
これは必ずしも必要なものではありませんが、試験本番は時間との勝負なので、答案を書いている途中にインクが切れてしまうなどのリスクがあります。新しいボールペンに切り替えるにも時間が惜しいので、時間をセーブしたいという方にとっては、インクの残量が分かるボールペンを選ぶのもおすすめです。
インクの残量が分からない万年筆などは、科目ごとにインクを入れ替えておくなど工夫しておくのも良いかもしれません。
3 サマリー
司法試験のボールペン選びのポイントをご紹介しましたが、これまで全くこだわったことがないという方は、是非この機会に色んなボールペンを試してみてくださいね。試験本番で最大のパフォーマンスを発揮するためにも、日頃から決めたボールペンを使って練習を積んでいってください。
4 まとめ
- 司法試験は、最大8枚まで答案を書かなければならないので、腕が疲れないボールペンなど、自分に合ったボールペン選びをすることが重要
- ボールペン選びのポイントとしては、①実際に書いて試す、②筆圧のいらない、早く書ける、疲れないボールペンを選ぶ、③万年筆は筆圧がいらないのでおすすめ、④インク残量が分かるものを選ぶ