裁判官になるためには、いくつものハードルが存在します。
73期(令和3年度)には閣議決定で66名の判事補(裁判官)が任命されました。(政府発表)
旧司法試験時代では、司法試験の順位が重要と言われていましたが現在はその他にも複合的な採用理由があると言われています。
近年重視される傾向にある資質やスキルについて考えてみます。
1 裁判官になるために司法試験の順位よりも重要なポイント
裁判官になるためには、司法試験の順位や、司法修習の成績が重視されているといわれていますが、下記の点も実は近年重視されているようです。
(1) 人柄・資質
裁判官は、独立した立場として、各事件について一定の判断を行うため、倫理観や品位が求められます。また、中立的な立場であることはもちろん、思いやりのある心と謙虚な姿勢、裁判を迅速に進めながらも、的確な判断が求められるため、このような資質を持った人が特に裁判官として必要とされます。
どんなに司法試験の成績が良かったとしても、これらの要素が欠けていれば、裁判官としての資質が足りないと判断されてしまうので、裁判官になるための重要なポイントといえます。
(2) 法律以外のスキルセット
裁判官は、法律の知識が必須であることはもちろんですが、裁判官は判決文を書くなど、パソコンを使用した業務もたくさんあります。そのため、PCスキルがあると便利です。また、簿記や語学なども、必ずしも必須スキルではありませんが、あると活躍できる幅が広がるので、勉強しておくと良いでしょう。
(3) 司法修習の民裁・刑裁の起案及び修習、2回試験の席次及び内容
裁判官になる上で、司法修習での成績も重視されています。司法修習では、民事裁判や刑事裁判の実務を学びますが、起案や課題の提出も求められます。これらの成績も採用する上で重視されています。
また、司法修習が終わると、二回試験(正式名称は司法修習生考試)と言われる、法曹になるための最終試験に合格しなければなりません。この二回試験の成績も、裁判官を採用する上で重要視されています。
したがって、司法修習での過ごし方も大事にしなければなりません。
(4) 予備試験合格者
司法試験合格者のうち、予備試験に合格した方々の、司法試験合格率は、毎年法科大学院修了生よりも断トツで高いので、優秀な方々が多い印象があります。予備試験合格者は、就職活動においても有利であるといわれています。詳しくは次の章で説明します。
2 予備試験合格者がなぜ裁判官採用に有利なのか?
では、なぜ予備試験合格者は裁判官採用において有利と言われているのでしょうか。
令和3年度司法試験の合格率は、41.5%でしたが、令和2年度予備試験の合格率は、3.8%と、予備試験の合格率の方が圧倒的に低いことが分かります。
また、令和3年度における予備試験合格者の司法試験合格率は、93.5%と、非常に高く、ほとんどの方が合格しています。
予備試験合格者は、合格率の低い予備試験を突破してきているということもあり、司法試験の合格率がとても高いのです。
予備試験合格者が裁判官の採用に有利といわれているのも、上記のことが理由であることが推察できます。
3 資格スクエアの予備試験講座
予備試験合格者の司法試験合格率が非常に高いことを紹介しましたが、このことからすると、予備試験に合格することが、司法試験合格への近道であることがいえます。もちろん、予備試験は合格率がとても低いので、まずは予備試験に突破することが最大の目標になると思いますが、予備試験の勉強はそのまま司法試験にも活きるので、予備試験に挑戦してみるのもおすすめです。
資格スクエアでは、予備試験講座を提供しています。完全オンライン予備校なので、どこでもいつでも受講できるのが強みです。是非予備試験講座を検討してみてください。
4 サマリー
裁判官を目指している方は、司法試験の順位だけでなく、司法修習の成績など、弁護士志望や検察官志望の方に比べて、成績のために頑張らないといけないので大変ですが、数少ない人がなれる貴重な仕事なので、目指すからには、是非諦めずに頑張ってください。
5 まとめ
- 裁判官になるためには、司法試験に合格した後、司法修習を受け、二回試験に合格しなければならない
- 裁判官になるためには、司法試験の順位がとても重要だが、それ以外にも、①人柄・資質、②法律以外のスキル(PCスキルなど)、③司法修習の成績、④予備試験合格者(裁判官採用に有利)なども重要
- 予備試験合格者は、司法試験合格率も高く、裁判官採用に有利といわれている
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