法曹を目指したい方は、司法試験という国家試験に合格する必要があります。司法試験は法律科目を取扱っていることもあり、国家試験の中でも最難関といわれる試験です。実は、司法試験には受験資格があるので、受験資格を取得するまでも時間がかかるなど、意外と長い道のりなのです。
この記事では、司法試験の概要や受験資格に関する情報など、まとめてご紹介するので、是非参考にしてみてください。
1 司法試験の概要
司法試験は、法曹三者である弁護士、検察官、裁判官になるための国家試験になります。法曹になりたいという方は、まずはこの試験に合格しなければならないので、司法試験に合格するために必要な情報収集を開始しましょう。
2 司法試験の受験資格
司法試験には、受験資格があります。この受験資格を得ないと、司法試験を受験することができないので、まずは受験資格を取得する準備をしなければなりません。
司法試験の受験資格には、大きく2つのルートがあります。
一つは、予備試験ルートです。
予備試験ルートは、予備試験という試験に合格することによって司法試験の受験資格が得られるルートになります。
予備試験と司法試験は法律科目も共通していますが、司法試験にはない口述試験があるなど、司法試験と異なる点も多いので、予備試験のための受験勉強をしなければなりません。
もう一つのルートは、法科大学院ルートです。
こちらは、法科大学院を修了することによって司法試験の受験資格が得られるルートになります。
法科大学院を修了するまでに2年から3年かかるので、在学中から司法試験の受験勉強をすることになります。
いずれのルートもメリット、デメリットはあります。
予備試験ルートは、法科大学院ルートのように学費などがかからず、経済的な負担がありませんが、合格率が約4%と非常に難しい試験になります。
他方、法科大学院ルートは、修了することさえできれば、司法試験を受験できるので、予備試験に比べると受験資格を取得しやすい側面がありますが、学費がかかり、2年から3年と受験資格を得るまでに時間がかかります。
最近では予備試験の受験者数が増加傾向にあり、人気ですが、受験を検討している方は、それぞれのルートのいずれが良いか、じっくり吟味してくださいね。
3 司法試験の試験日程
司法試験は、年に1回、例年5月中旬頃に行われます。中日を合わせると5日間と長丁場となる試験になります。
参考に、令和4年度司法試験の実施日程は、令和4年5月11日(水)、12日(木)、14日(土)、15日(日)となっています。
4 司法試験の試験科目
司法試験には、短答式試験と論文式試験の2種類の試験があります。
まず、短答式試験では、憲法、刑法、民法の3科目から出題されます。
次に、論文式試験では、選択科目、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の8科目から出題されます。
短答式試験と論文式試験では憲法、刑法、民法が共通しているので、全ての科目を合計しても8科目になります。
5 司法試験の合格率
司法試験の受験者数及び合格者数と、合格率は以下のようになっています。
(法務省データより作表)
司法試験の合格率は、2014年の22.58%から増加傾向にあり、2021年の合格率は過去最高の41.5%となりました。
これは、受験者数が減少傾向にあることと、合格者数が1,500人前後を維持していることが一つの要因であることが推察できます。
合格率が上がったことで、難易度が下がったと思われるかもしれませんが、受験者数が減っていることが起因していることもあるので、司法試験の難易度そのものが下がったわけではないことに注意しましょう。
6 サマリー
司法試験に関する情報をお伝えしてきましたが、法曹を目指したい方は、まずどのような科目があるのか、合格率はどれくらいなのかなど、事前に調査し、合格するまでどのようなプランで勉強していくか、具体的に決めていくことが重要になります。これから司法試験に向けて試験勉強頑張ってください!
7 まとめ
- 司法試験は、法曹三者(弁護士、検察官、裁判官)になるための試験
- 司法試験には受験資格があり、予備試験に合格するか、法科大学院を修了しなければならない
- 司法試験は、毎年1回、例年5月中旬に行われる
- 司法試験には、短答式試験と論文式試験があり、8科目(選択科目、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法)から出題される
- 司法試験の合格率は、令和3年度が41.5%と過去最高