法科大学院に進んでまで司法試験に落ちたら、法律事務所に就職できなかったら等の不安を抱える人が多い
司法試験予備試験を目指そうと考えている方の中には、社会人の方や就職活動を終えた学部の四年生なども一定数存在するのではないでしょうか。
では、そのような方は法科大学院の進学と予備試験のどちらを目指すべきでしょうか。
予備試験に挑戦した方が、リスクが少ないと言えそうです。以下、理由を見ていきます。
司法試験の合格率
まず、近年の法科大学院の合格率は全体として20%となっています。言い換えれば、80%の受験生が不合格となるのです。
大学を卒業後、2年から3年勉強し法科大学院を修了して、司法試験に不合格だった場合は、多くの方は民間企業に就職しようとするでしょう。年齢が重視される大手企業などの就職活動で不利な競争を強いられるというリスクを負うことになります。
そのことも考えると、日本の法科大学院の合格率の平均が20%代というのは改善すべき状況であると言えるでしょう。また、最も合格率が高い法科大学院でも合格率は50%代です。たしかに旧司法試験と比較すると、司法試験の合格率が50%というのは高いです。しかし、8割ほどの法科大学院の合格率が10%前後ということを考えるとまだまだ低いことが分かるでしょう。
ちなみに、予備試験合格者の司法試験の合格率は60%代となっており、どの法科大学院よりも高くなっています。
だからこそ、司法予備試験は受けるべきなのです。
法科大学院の高額な費用と大手事務所への就職の難しさ
また、法科大学院の進学には資金が必要であり、法科大学院進学者の中には、在学中の借金なども含めて多額の借金をしている学生も多いようです。
また、この借金については、司法修習中の給与が貸与の形式であるため、司法試験合格後しばらくも借金を続ける必要のある学生が多いようです。
司法試験合格後、大手渉外法律事務所などに内定が決まれば、一年目から1000万円を超える給与を得ることもできると言われており、借金をしていてもそのような事務所に内定をとることができた学生にとっては学生時代の借金を返すことが可能です。
しかし、司法試験の合格者は増加したものの、大手法律事務所に就職できる人はごくわずかです。
大手事務所に入れる人は、大学在学中に予備試験に合格した方や有名な法科大学院の成績優秀者など、年齢の若い人が多い傾向にあると言われています。
一方、司法予備試験は、受験費用のみしかかかりませんので、非常に安価です。