行政書士試験の出題科目・範囲は幅広く、法律や政治・経済・情報通信など広く一般知識といわれる網羅的な知識を含む難しい試験に合格しなければなりません。
この記事では、行政書士試験の概略を理解し、試験に合格するための攻略法のポイントを解説して参ります。
1 行政書士試験とは?
行政書士試験は、行政書士試験法第三条に基づき、年に1回以上行うこととされています。
年齢・国籍・性別を問いませんので誰もが受験することのできる試験です。
(行政書士試験)
第三条 行政書士試験は、総務大臣が定めるところにより、行政書士の業務に関し必要な知識及び能力について、毎年一回以上行う。
2 行政書士試験の施行に関する事務は、都道府県知事が行う。
行政書士は、行政手続き及び書類作成のプロです。
「市民に最も身近な街の法律家」などといわれており、市民の生活と密接に関係する業務を行えることが特徴です。
なお、作成できる書類の数は1万種類を超えるといわれております。
行政の高度複雑化に伴い、時には高度な専門知識を要するケースもありますので、個人・法人問わずさまざまなサポートを以て貢献することができる点は、行政書士資格を取得するメリットともいえます。
このように、社会的な貢献度が高いだけではなく、開業すればワークライフバランスが取りやすいことから、昨今では、特に社会人を中心に受験者数も増加傾向にあり人気の資格試験です。
2 行政書士試験の概要
行政書士試験の試験概要を押さえておきましょう。
試験では、「行政書士の業務に関して必要な知識及び能力」について問われます。
(1) 行政書士試験について
試験日時 | 例年11月第2日曜日 午後1時〜午後4時 令和4年度 11月13日(日)午後1時〜午後4時 |
|||
受験手数料 | 10,400円(令和4年度改定) | |||
出題形式 | 科目 | 問題数 | 配点 | |
法令等 | 5肢択一式 | 基礎法学 | 40問 | 160点 |
憲法 | ||||
行政法 | ||||
民法 | ||||
商法 | ||||
多肢選択式 | 憲法 | 3問 | 24点 | |
行政法 | ||||
記述式 | 行政法 | 3問 | 60点 | |
民法 | ||||
一般知識 | 5肢択一式 | 政治・経済・社会 | 14問 | 56点 |
情報通信・個人情報保護 | ||||
文章理解 |
※試験日程など詳細については、ホームページで随時ご確認ください。
※科目ごとの問題数については、合格発表後に公表されますので詳細はホームページでご確認ください。
(2) 合格点について
「合格基準点」については、以下のように定められています。
(以下のいずれも満たした者)
・行政書士の業務に関し必要な法令等科目の特典が122点以上である者
・行政書士の業務に関する一般知識等科目の得点が24点以上である者
・試験全体の得点が180点以上である者
(2) 合格点について
例年12%ほどを推移していることが見て取れ難易度の高い試験であることがわかります。
また、令和3年度の受験者においては前年よりも6,000人以上増加しており平成26年度に匹敵する受験者数となっています。
新型コロナウィルスの影響や副業人気の影響などが相まって、資格試験への注目が高まった影響が背景として考えられます。
3 行政書士試験の傾向と対策
行政書士試験の科目の中から憲法・民法・行政法・一般知識をピックアップし、傾向と対策について解説します。
(1) 憲法の傾向と対策
憲法は、近年難化傾向にあります。
特に判例の判旨の理解を問う問題は難易度が高く、本試験では、そのような難しい問題にはあまり時間・労力をかけず、できる問題から解いていくという戦略が大切です。
また、日頃の学習においては、有名判例や条文を過去問や講義で出て来る度に、面倒くさがらずに見返すことを心がけましょう。
(2) 民法の傾向と対策
民法は、条文の文言が固いので具体例をイメージしづらくつまづきやすい科目です。
法律学習経験者も苦手とする方は少なくありません。
ですが、条文を正しく理解すれば恐れるに足らずです。何度も何度も条文やテキストのインプットと過去問を反復し、具体例がイメージできるようになれば合格へ一歩近づくことができるでしょう。
インプット・アウトプットの際に、よく出て来る論点は重要論点として捉え、絶対に落とさないように自分のものにしてしまいましょう。
わからない法律用語や難しい漢字も登場回数が頻回であれば、後回しにせずに一つ一つ潰していくことをおすすめします。
(3) 行政法の対策と勉強法
行政書士試験の中でも、出題数が最も多い科目です。
本試験では、普段見慣れない問題もありますが、重要論点をしっかりと押さえておけば正解することができる問題が大半なので得点源としたい科目ともいえます。
また、基礎的な知識を盤石にしておきたい科目ですので、重要論点である「判例」「条文」に関しては、反復学習を繰り返して知識の定着を図りましょう!
判例の解釈が必要な科目であり、初めて知る用語も多く「とっつきにくい」と感じてしまいがちですが、ここは、ある意味「馴れ」と割り切って学習を進めましょう。
とっつきにくさを解消するには、身の回りのものに置き換えてイメージしてみることが効果的です。
予備校選びや独学で市販の基本テキスト購入を検討される場合は、具体例が豊富な教材であるか?という点に着目して検討されることをおすすめします。
(4) 一般知識の対策と勉強法
政治・経済・社会・情報通信・個人情報保護・文章理解と幅広い範囲から計14問出題されます。
網羅的に満点を目指すことはハードルが高く、苦手意識を持っている受験生も少なくありません。
全くわからない問題が出てきても消去法で解ける場合もあります。
まずは焦らずに文章をよく読み明らかに異なっている肢を見分けましょう。
「政治・経済・社会」については、普段からニュース番組や新聞などをチェックし、今話題になっている問題の過去の変遷についてチェックする癖をつけましょう。
「情報通信」は、ITに関する用語を押さえ、「個人情報保護(2022年4月1日改正)」は、基本的な知識のインプットを怠らないようにしてください。
「文章理解」は、比較的易しいが、急な難化に備え普段から解法テクニックを磨くことをおすすめします。
4 行政書士試験の合格を効率良く目指すなら資格スクエアがおすすめ!
これまで見てきたとおり、行政書士試験は難易度が高いため簡単に合格することはできません。
個々の置かれている環境や習熟度など個人差がありますので、一概にはいえませんが、行政書士試験合格までに必要な時間は600時間(法律学習経験ゼロの場合)ほどだといわれています。
例えば、宅建士試験など法律学習経験のある方や法学部出身の方は、ある程度の短縮が可能となるでしょう。
一方で、法律学習の経験がない方は600時間をおよその目安とし、勉強方法や習熟度によってプラスアルファで個人差が生じることを念頭においてください。
そして、短期合格を目指すには、正しい勉強法と効率の良いカリキュラムが必要です。
ここでは、効率的に行政書士試験の学習ができるオンライン型の予備校、資格スクエアの「森Tの4ヶ月合格講座」をおすすめします!
資格スクエア「森Tの4ヶ月合格講座」おすすめポイント!
法律学習経験ゼロからでも4ヶ月で行政書士試験合格を目指せる
「合格すること」を研究し尽くしたカリキュラムで、ポイントを絞った講義展開で効率性を重視しています。
なぜなら、重厚すぎる講義では合格するまでに時間がかかってしまいアウトプットが十分に行えない可能性があるからです。インプットとアウトプットのバランスを含め、オリジナルカリキュラムで効率良く学び合格を掴み取りましょう!
法律学習未経験者でもとにかくわかりやすい講義
“固い法律はやわらかく” を合言葉に、人気講師「森T」による具体例を交えたわかりやすく定着しやすい講義で行政書士試験の合格を目指すことができます。講師経験20年超、老舗予備校出身かつ元国語講師の大ベテランの講義は必聴です!
また、資格スクエアは、法律系資格に強い予備校であり、完全オンライン型予備校ならではの機能性に優れたツールを兼ね備えていますので、スマホ1つあれば、いつでもどこでも行政書試験の勉強をすることができます。
通勤や通学、待ち時間、寝る前のちょっとした時間など、日常のスキマ時間を勉強時間に変え、ルーティン化をサポートする強い味方となります。
6 サマリー
行政書士試験は、簡単に合格できる試験ではありませんが、効率的に学習することで比較的短期間で合格することのできる試験であることがおわかりいただけたのではないでしょうか?個人・法人問わず幅広い業務範囲でサポートすることのできる法律系国家資格である行政書士は魅力溢れる資格の一つです!
7 まとめ
- 行政書士試験は、年齢・国籍・性別を問わず誰もが受験することのできる試験。
- 行政書士試験は、「行政書士の業務に関して必要な知識及び能力」について問われ、令和4年度は11月13日に実施される。
- 行政書士試験の科目は、憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学・政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解より出題される。
- 行政書士試験の対策と攻略法は科目により異なるが、基本はインプット⇄アウトプットの反復!「重要論点」「判例」「条文」のチェックは面倒くさがらずに行おう!
- 行政書士試験の合格を効率良く目指すなら、完全オンライン型予備校の資格スクエア「森Tの4ヶ月合格講座」がおすすめ!