行政書士試験は、試験科目が複数あり、出題範囲も多岐にわたります。では、合格するためには、網羅的に知識を押さえなければならないのでしょうか。
答えは、「No」です。
行政書士試験に合格するためには、60%の得点率で足りるからです。
では、60%以上の得点率を稼ぐためには、どのような知識を押さえればよいのでしょうか。その答えは、「過去問」(過去に行政書士試験で出題された問題を集めた問題集のこと)にあります。行政書士試験に合格するためのカギは「過去問」にあるのです。
この記事では、過去問についての位置付けや、過去問と受験生はどのように向き合っていくべきか解説しています。ぜひ、この記事を読んで参考にしてみてください。
1 過去問の位置付け
⑴ 過去問の必要性
行政書士試験の試験科目は、複数科目あり、出題範囲も広いです。そのため、出題範囲を満遍なく押さえていくという勉強方法は効率が悪いです。
そこで、重要になってくるのが、過去問を分析して、出題傾向について把握することです。過去問を分析してみると、よく出題される知識を把握することができます。
行政書士試験に合格するためには、満点をとる必要はなく、6割の得点をとることができれば合格できます。
過去問の中には、重箱の隅をつつくような問題や、テキストにのっていない・あるいはテキストに掲載されていても注釈でしか触れられていないような問題もあります。
しかし、それらの問題を解ける必要はありません。これらの問題は、次年度以降出題される可能性は低いからです。それよりも、むしろ重要なのは、頻出分野の知識を押さえることです。過去問でよく出題される知識を押さえておけば、合格は十分可能です。
このように、効率よく勉強を進める上でも、過去問をしっかり分析しましょう。
⑵ 過去問が重要な科目は
行政書士試験では、どの試験科目についても過去問を分析することが有用ですが、特に、行政法・民法については過去問を分析・検討することが必須といえます。
まず、行政法・民法は、配点が高く、行政書士試験を突破するうえで、得点源にする必要があります。
他方で、行政法・民法は出題範囲が広く、条文知識や判例知識も問われ、勉強する量が非常に多いです。そのため、試験範囲について、短期間で網羅的に知識を身に付けていくということは難しいといえます。しかし、過去問を検討してみると、よく出題される問題があることに気が付くと思います。
例えば、同じ条文知識について、問題の聞き方が違うだけで、要は、条文を知っていれば解けるという問題はよくあります。このようによく出題される知識を知っておけば、テキストを復習する際も、「ここはよく出るポイントだ!」とメリハリをつけてテキストを読み返すことができます。メリハリをつけた勉強をすれば、試験範囲が広い行政法・民法を得点源にすることは十分可能です。
⑶ 過去問を始める時期
過去問は、なるべく早い段階で解くべきです。
過去問は、合格に必要な知識の量やレベルを示すガイドといえるからです。
過去にどんな問題が出題されたかを把握することで、「この知識は身に付けなくていい」「この知識は毎年出題されているから絶対に押さえておかなければならない」と考えることができるようになります。過去に出題されていない問題の知識を身に付けても、試験に合格するという観点からは、効率が非常に悪いです。
そのためにも、「力試しに過去問は、最後にとっておこう」と考えるのではなく、ぜひ勉強の最初の段階で解いてみてください。
もちろん、勉強の初期段階で、過去問を解いてもほとんどわからないかもしれません。
しかし、勉強の初期段階で、過去問を解く目的は、出題傾向を把握したり、頻出の問題を知ることにあります。そのため、勉強の初期段階で問題が解けなくても構いません。勉強を進めていく段階で、試験の当日までに解ければいいのです。答えをすぐ見ても構いませんので、まずは過去問を解いてみましょう!
2 効率的な過去問対策とは
⑴ 過去問は何年分すべきか
まずは、出題傾向を把握するという意味でいえば、直近2・3年の問題を解いてみることをおすすめします。
知識として押さえておくという意味では、少なくとも直近5年分・可能であれば過去10年分を解いておくことが望ましいです。行政書士試験では、過去に出題した知識・論点等を、角度を変えて出題することが多いため、過去問はできるだけさかのぼって対策しておきたいところです。
⑵ 過去問は体系別に解くことがおすすめ
過去問は、体系別に解くことをおすすめします。
年度別に問題を解くのは、時間配分をつかんだりするのには長けていますが、特に初学者の方は、体系別の問題集を解くと、知識を整理しながら勉強することができます。
例えば、民法の総則の分野の過去問を一通り解き、間違った問題について、テキストを参照しながら確認していきます。そうすると、自分が苦手な条文や判例を知ることができ、重点的に弱点を対策することができます。このように、体系別の過去問を解くことで、弱点を把握し、合格に近づくことが出来ます。
⑶ 答えを暗記しない
過去問を解くことは重要ですが、答えを丸暗記してもあまり意味がありません。
たしかに、行政書士試験では、過去問を丸暗記すれば解ける問題もあります。
しかし、多くは、過去問で出題された知識をベースに、形を変えて問題が出題されます。丸暗記しても応用力は身につきません。
そのためにも、答えを暗記するのではなく、理解しながら過去問を解いていく必要があります。
その際には、なぜこの条文が制定されたのかといった条文の趣旨について着目すると、理解が進みやすくなります。また、理解することで、記憶が定着しやすくもなります。過去問で頻出の分野や、よく間違える問題については、なぜこのような結論になるかといったことを理解しながら勉強をすすめてみてください。
⑷ アウトプットのみならずインプットであることを意識
過去問を解くことは、アウトプットのみならずインプットの側面もあります。
資格スクエアの行政書士試験講座を担当している森講師(森T)もYouTubeで過去問の取り組み方について、以下の通り述べています。
「過去問は、受験の世界では、問題演習=アウトプット」という風に言われているんですけども、私が思うにやはりこれは、条文の中でも、特にここを押さえてくださいというインプットでもあると思うんです」
「過去問をただ解くだけでなくて、どういうところを気をつけていけばいいのか、意識しながら過去問を解いていただくと、また違った見方・頭の入り方があるかなと思います。」
「過去問が長い条文の文言の中で特に押さえるべき文言というのを教えてくれる。だから、アウトプットのみならずインプットである。それを意識して今後も過去問も見ていただければと思います。」
YouTubeでは、実際の過去問を使って、過去問演習がアウトプットのみならずインプットであることを詳しく解説しています。是非、こちらもご覧ください。
3 予備校を上手く使おう
⑴ 出題のポイントを効率的におさえることが可能
過去問を検討すれば、よく出題される分野を把握することは可能ですが、実際、自分で過去問を解いて出題のポイントをつかむというのは簡単なことではありません。
予備校の講座では、過去問を検討した受験のプロたちが、よく出題される問題を中心にレクチャーしてくれます。予備校の講座を聞いてポイントを把握してから、過去問を解いたほうが効率よく勉強を進めることができます。
また、法律は複雑な事項も多く、過去問を解いて、解説を読んでもなかなか理解できない問題も多々あると思います。予備校の講座では、初学者が陥りやすいミスを把握して、講座を提供しているため、理解が困難な部分も、ポイントをおさえて理解することができます。
⑵ 独学では記述式の対策が困難
行政書士試験では、択一式だけでなく、記述式の問題が出題されます。記述式については、自分で解いたとしても、その自分の解答が、模範解答と比べてどの限度で性格なのか把握することは難しいと思います。また、そもそも、初学者の段階では、どうやって、記述すればいいかわからないといった受験生も多いと思います。
特に、記述式の対策は、合否をわけるといっても過言ではないため、予備校を使って、徹底的に対策するべきでしょう。
⑶ 森Tの行政書士講座を利用して合格を勝ち取ろう
資格スクエアでは、「森Tの4カ月合格講座」を提供しています。
この講座では、本試験に出うる論点に絞っており、効率よく学習することができます。
また、この講座では、難しい用語が並ぶ法律について、初学者にもわかりやすい言葉を使っています。
YouTubeでも、多くの情報を提供していますので、森Tがどんな講師かご覧ください。
是非、「森Tの4カ月合格講座」を使って、合格を勝ち取ってください!
4 サマリー
行政書士試験は出題範囲が広く、どのように勉強していけばいいか不安になる受験生も多いです。しかし、過去問を中心に勉強を続けていけば、試験によく出る点を重点的に対策することができます。行政書士試験は正しく対策すれば十分に合格可能な資格試験です。資格スクエアでは、受験生が効率よく学習できるようサポートする講座も用意していますので、上手く使って合格を目指しましょう!
5 まとめ
- 過去問を解くことでよく出題される分野・問題が分かる
- 過去問を解く際は答えを暗記しない
- アウトプットのみならずインプットを意識
- 記述式対策は特に独学では対策が困難
- 森T行政書士講座を利用することで効率よく試験対策を行うことが可能