行政書士試験では例年二問、択一式問題で基礎法学の出題があります。
基礎法学とは汎用的な法知識や法的素養を問う科目ですが、憲法や民法といった個別の法令を学習していれば自然に知っていくことも多いです。
法律の勉強を始める時には、この基礎法学から覚えていくと良いでしょう。
1. 公法と私法
法律を分類する基準の1つに、公法か私法かといったものがあります。
見分けるポイントは、その法律が誰と誰の関係を規律するためのものなのかということを考えることです。
公法は国や地方団体と、国民や住民といった構成員との統治関係を規律する法律です。
それに対して私法は、個人と個人の私的な生活関係を規律している法律なのです。
2. 公法の種類
公法には憲法や行政法、刑法、訴訟法などがあります。
憲法は国を規律する法律で、皇室典範や国会法等も実質的意味における憲法と言えます。
行政法は行政の活動に関する法律で、国家行政組織法や国家公務員法、警察法や教育基本法等が属します。
刑法は犯罪や刑罰に関する法律で、刑法という名前の法律だけでなく、犯罪と刑罰に関わる法律全てが実質的意味での刑法と言えるでしょう。
訴訟法は裁判所における訴訟手続きを定めた法律で、主としては民事訴訟法と刑事訴訟法があります。
国や行政、犯罪や裁判所の手続といったものは当然ですが個人ではありません。
このように、国や地方団体と構成員の関係を規律している法律が公法なのです。
↓↓↓行政書士試験の科目別対策!「憲法」の勉強のポイントはこちら!↓↓↓
3. 私法
対して、民法や商法などの私法は個人相互の私的な関係を規律しています。
民法とは、私人の日常・社会生活に関する法律です。
主に私人の財産関係や家族関係を規律していますが、民法という名前の法律だけでなく、私人の日常生活を規律する法律すべてが実質的な意味における民法といえます。
商法は商人との商行為、商取引に関する法律で、形式的には商法典のことを指します。
しかし実質的意味では商取引に関する法律すべても含まれますし、商取引の主体となる会社を定めている会社法も商法と考えられます。