司法試験合格者ってどんな人?データとインタビューから徹底分析

司法試験

1 合格者数の推移

以下のグラフは2011年から2021年の司法試験の合格者数と出願者数の推移を示したものです。

折れ線グラフが司法試験の合格者数、棒グラフが出願者数を表しています。

直近5年(2017~2021年)の合格者数を見ると、概ね合格者数は1,500人程度に抑えられていることがわかります。

これは、2015年6月に政府機関である法曹養成制度改革推進会議において当面法曹が毎年1,500人程度は輩出されるような必要な取り組みを進める』と決定されたことに従っているようです。

(参照:法曹養成制度改革推進会議『法曹人口のあり方について(検討結果とりまとめ)

 

また、合格者数はこの10年で減少傾向にあり、2020年からは合格者数が1,500人を切りましたが、これは司法試験の難易度が上がったというよりは、出願者数の減少に対応して合格者数を減らしたのだと考察できます。

 

よって、今後急激に合格者数が増減することは考えにくく、1,500人程度が続くと予想されます。

2 合格率の推移

次に司法試験の合格率の推移を見ていきましょう。

以下の表とグラフは直近5年分の合格率と受験者数を示したものです。

 

合格率 受験者数
2017年 25.9% 5,967人
2018年 29.1% 5,238人
2019年 33.6% 4,466人
2020年 39.2% 3,703人
2021年 41.5% 3,424人

(参照:日弁連法務省

グラフから分かる通り直近5年間で司法試験の受験者数は一貫して減少傾向にあります。

一方で、司法試験の合格率は年々増加しており、最新の2021年にはとうとう合格率が40%を超えました。

この合格率の上昇の背景として、受験者数が減少する中で、1,500人程度の司法試験合格者を確保するためと考えられます。

3 受験回数

以下の表は各年の司法試験合格者が何回目の受験だったかを示したものです。

その下の円グラフは2021年の司法試験合格者の受験回数を表したものです。

 

2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
1回目 870人 862人 884人 960人 1,024人
2回目 292人 269人 282人 222人 173人
3回目 180人 187人 139人 126人 101人
4回目 140人 134人 108人 85人 76人
5回目 61人 73人 89人 57人 47人

 

(参照:法務省『令和3年司法試験採点結果』『令和元年司法試験採点結果』『平成29年司法試験採点結果』)

以上の表と円グラフから明らかなように、司法試験合格者のほとんどは1回目の受験で合格しています。

これは、受験回数を重ねることにより、受験仲間が少なくなることや、金銭的な問題からモチベーションを維持することが難しくなることが背景にあると考えられます。

 

旧司法試験の時代には『司法試験は浪人して当然!』と言われたこともありましたが現在では司法試験浪人をする人は少数派です。

 

司法試験に合格するために最初の1回目の受験がかなり重要と言えます。

最初から長期戦を想定するのではなく、短期集中的な勉強戦略を立てることが必要です。

4 司法試験を受験するためのルートは2つ!

司法試験を受けるには、法科大学院に進学するか、予備試験に合格する必要があります。

(1) 法科大学院ルート

まず法科大学院とは、法曹養成に必要な教育をする法律の専門学校のようなものです。

一般的には、ロースクールなどとも呼ばれていますね。4年制大学を卒業するなどの一定の資格を満たした人に法科大学院入試の受験資格が認められています。

修業期間は、法学の既修者と未修者によって異なります。

修了することによって『法務博士(専門職)』の学位を得ることができます。

(学校教育法第104条3項、学位規則第5条の2)

① 既修者コース:2年間

各法科大学院によって作成される「法律科目試験」に合格する必要があります。

また、大学で法学を勉強していなくても、既修者として入試に合格すれば既修者コースで学ぶことができます。

② 未修者コース:3年間

未修者コースを受験する際は「法律科目試験」を受験する必要がありません。

法科大学院に入学したのちに、法学について学び始める方用のコースです。

法学を勉強したことがある人も未修者コースに入学可能です。

法科大学院の大きなメリットとしては、やはり「確実に司法試験の受験資格を獲得できる」ことでしょう。予備試験対策を行う必要がないので、その時間を司法試験の勉強に充てることができます。

また、夜間に開講している法科大学院もあるので社会人にとっては利用しやすいかもしれません。

しかしその一方で、法科大学院に通うためには まとまった時間とお金が必要です。

コースを修了するためには最低でも2年間はかかりますし、年間平均で学費がかなりの負担になってしまう可能性もあります。

国立法科大学院ですと、初年度は入学金も含めてで約110万円ほどの出費が必要になります。

公立法科大学院は自治体割引などを採用しているところもありますので、国立法科大学院よりも納入金が安くなる可能性がありますが、それでも約100万円くらいの出費が必要になります。

私立法科大学院の授業料はそれぞれ違うので一概には言えませんが、平均すると約150万円ほど(入学金含む)です。

3年間通うとなると、最大で約450万円はかかってしまうようですね……。

また、日本国内で生徒を募集中の法科大学院は約38校で、過去に約70もの法科大学院が存在していたことを考えると、その数がかなり減ってきていることがわかりますね。

(2)予備試験ルート

先ほども述べましたように、予備試験は司法試験を受験するために合格必須の試験です。つまり、合格できなければ司法試験の受験資格を得ることができません。

また、法科大学院とは違い、予備試験には受験資格(年齢・学歴・受験回数)は存在しないので、”高校生が予備試験を突破!” なんて話があってもおかしくはありません。

試験は、短答式論文式口述式に分けて行われます。

予備試験の最大のメリットは「誰でもお金をかけずに司法試験に挑戦できる」ことです。学費を支払うこともないですし、受かるまで毎年受験することも可能です。

しかし、司法試験にチャレンジする前には必ず予備試験に合格する必要があります。

司法試験の合格率は高くても、予備試験の合格率は4%という狭き門ですので、まずはこの第一難関をクリアしなくてはなりません。

以下の表は予備試験の受験者数と最終合格者数と合格率を示したものです。

受験資格が制限されている司法試験と単純に比較することができませんが、難関試験であることは間違いないようです。

 

年度 受験者数 合格者数 合格率
2021 11,717 467 4.00%
2020 10,608 442 4.20%
2019 11,780 476 4.00%
2018 11,136 433 3.90%
2017 10,743 444 4.10%
2016 10,442 405 3.90%
2015 10,334 394 3.80%
2014 10,347 356 3.40%
2013 9,224 351 3.80%

 

 

5 法科大学院別の合格率

以下の表が2021年の司法試験における合格率の高かった法科大学院上位35校をランキング形式でまとめたものです。

 

法科大学院名 受験者数 合格者数 合格率
1位 愛知大学法科大学院 3人 2人 66.70%
2位 京都大学法科大学院 185人 114人 61.60%
3位 一橋大学法科大学院 110人 64人 58.20%
4位 慶應義塾大学大学院 法務研究科  227人 125人 55.10%
5位 東北大学法科大学院 39人 20人 51.30%
6位 東洋大学法科大学院 2人 1人 50%
7位 山梨学院大学法科大学院 4人 2人 50%
8位 早稲田大学大学院 法務研究科 231人 115人 49.80%
9位 岡山大学法科大学院 33人 16人 48.50%
10位 東京大学法科大学院 199人 96人 48.20%
11位 名古屋大学法科大学院 55人 25人 45.50%
12位 神戸大学法科大学院 113人 47人 41.60%
13位 大阪大学法科大学院 115人 47人 40.90%
14位 獨協大学法科大学院 5人 2人 40%
15位 同志社大学法科大学院 110人 39人 35.50%
16位 中央大学法科大学院 261人 83人 31.80%
17位 筑波大学法科大学院 60人 19人 31.70%
18位 創価大学法科大学院 39人 12人 30.80%
19位 東京都立大学法科大学院 81人 24人 29.60%
20位 関西学院大学法科大学院 34人 10人 29.40%
21位 九州大学法科大学院 58人 17人 29.30%
22位 専修大学法科大学院 36人 10人 27.80%
23位 北海道大学法科大学院 67人 17人 25.40%
24位 関東学院大学法科大学院 4人 1人 25%
25位 広島大学法科大学院 24人 6人 25%
26位 日本大学法科大学院 71人 17人 23.90%
27位 金沢大学法科大学院 18人 4人 22.20%
28位 明治大学法科大学院 102人 22人 21.60%
29位 甲南大学法科大学院 33人 7人 21.20%
30位 神奈川大学法科大学院 5人 1人 20%
31位 立命館大学法科大学院 78人 15人 19.20%
32位 大阪市立大学法科大学院 43人 8人 18.60%
33位 横浜国立大学法科大学院 29人 5人 17.20%
34位 南山大学法科大学院 12人 2人 16.70%
35位 青山学院大学法科大学院 19人 3人 15.80%

 

受験者数は少ないものの、愛知大学法科大学院の司法試験合格率が最も高く、66.7%でした。

また、受験者数も多く、かつ合格率の高い法科大学院は、京都大学法科大学院や一橋大学法科大学、慶應義塾大学大学院・法務研究科といった有名校が多い印象を受けますね。

6 既修コース・未修コース別合格率

次に、既修コースと未修コース別に司法試験の合格率を見ていきましょう。

 

既修合格率 既修合格者数 未修合格率 未修合格者数
2017年 32.7% 922人 12.1% 331人
2018年 33.2% 833人 15.5% 356人
2019年 40.0% 901人 15.6% 286人
2020年 43.7% 828人 17.6% 244人
2021年 45.4% 829人 18.2% 218人

 

まず、表とグラフから未修コースは既修コースに比べて合格率が半分以下であることに注目してください。

これは、既修コース修了者の多くが学部時代の4年間と法科大学院時代の2年間の合計6年もの時間を法律に費やしてきたこと対して、未修コースは法科大学院時代の3年間しか法律に触れていない人が多いことが要因の一つと言えます。

司法試験は全受験生の中で相対的に上位に食い込むことが合格のために重要な試験ですが、未修コースの受験生は合格のために相当の努力が必要と言えます。

 

 

7 予備試験合格者の司法試験合格率

 

次に、近年人気となっている予備試験ルートからの司法試験を受験した受験生の合格者数と合格率を見ていきましょう

 

合格者数 合格率
2017年 290人 72.5%
2018年 336人 77.6%
2019年 315人 81.8%
2020年 378人 89.4%
2021年 374人 93.5%

 

注目すべきは、司法試験予備試験合格者の高い司法試験合格率です。

2021年の司法試験において法科大学院の中で最も合格率の高かった愛知大学法科大学院の合格率でさえ66.7%だったのに対して、予備試験ルートで司法試験を受験した人の合格率はなんと93.5%と圧倒的な差があります。

また、2021年の司法試験においては、予備試験合格者の短答式試験の突破率が100%になりました。

このことからも司法試験予備試験合格者の司法試験に対する相性の良さがわかります。

 

8 なぜ予備試験ルートが司法試験に合格しやすいのか?

なぜ予備試験に受かった人は司法試験にも合格できるのでしょうか?

主な理由は、2つあります。

(1) 予備試験の難易度が高く設定されているから

皆さまご存知の通り、近年の予備試験の問題は難易度が高く、合格率は約4%というほどです。

予備試験に合格することがかなり困難といえますが、これは裏を返せば、

予備試験に対応できる能力を持っていれば、司法試験にも備えることができる!!ということです。

予備試験に向けて対策している方は、実は気づかぬ間に司法試験への準備も始めているのです。

(2) 予備試験と司法試験の、試験や採点の傾向が似ているから

予備試験を控えている方は、おそらく短答式・論文式・口述式試験に向けて日々勉強されていることでしょう。

 

司法試験と予備試験では、論文式試験で書かなくてはいけない分量が違うなどの相違点はあるものの、ほとんど同じ形式での試験を受けられる点でとても大きな意味があるでしょう。

場数を踏み、どの部分が重視して採点されるのかを頭の中にいれておくだけで、得点がアップする可能性も十分考えられます。

9 資格スクエアを利用した予備試験合格者の声

 

最後に実際に予備試験に合格した人の生の声をご紹介します。

 

(1)小林様(令和3年予備試験合格・社会人)

まずは、仕事とプライベートを両立しながら見事合格を勝ち取った小林様のインタビューです。(小林様のインタビューの全文はこちら

 

① 勉強時間と仕事・プライベートの両立

プライベートではご結婚等、変化の多い中での学習だったと伺っています。どう優先順位をつけて勉強と両立されましたか?

僕は、「どちらが後悔しないか」で、「やる」か「やらない」かを決めてました。

司法試験に受かることが人生の全てではないですから。「司法試験に受からない素晴らしい人生」も当然あって、人によってはそれより大事なこともあると思うんですね。

僕の場合は去年結婚して、勉強を始めて、子どもが生まれてと、人生の大きな節目がいくつか重なったんです。そうすると、例えば、「家の内見にどれだけ行くんだ」とか、その都度選択を迫られるんです。

でも「今これをやらないと後々の10年20年の人生後悔するよ」っていうのがあると思うんです。例えば、「新婚旅行に今行っておかないとかないと奥さんに何言われるか分からない」とか。(笑)

そういう、「これはやっておかないと後悔する」っていうことは、絶対やるようにしてました。

 

なるほど・・・!そういう判断事項を持って、プライベートも勉強も仕事も向き合っていらっしゃったんですね。ただ、お話を聞いているとかなり多忙に思えますが、勉強する時間の確保はどうされていたんでしょうか。

それでもやっぱり学校・仕事・家事等と学習の両立は大変でした。

僕は超絶夜型なんです。

夜って絶対侵害されないじゃないですか。翌日眠いのを我慢すればいいだけだから、そこでやってました。

始まりが遅い仕事なので、12時頃から働くだけ働いたら、20時、21時くらいから夜遅くまで勉強して寝る、というような感じです。それこそ3時、4時くらいまで勉強してました。

引っ越す前は1Kに住んでいて、夜は奥さんがリビングルームで寝ていたので、小さい机を買って玄関で夜な夜なずっと論文を書いてましたね。

勉強時間は平日休日も平均3~5時間、直前期では5~7時間くらいだったと思います

② 短答の勉強法

本当に夜型ですね!それでは具体的な勉強のお話についても伺いたいのですが、短答式試験はどう学習されましたか?

僕はとにかく過去問です。

そして、過去問も色々な教材があるんですけど、同じものを繰り返してやりました。

高野先生がYoutubeとか色々なところで言ってるんですけど、「1回やってできなかった問題に丸をつけて」「もう一回やってまたできなかった問題に丸つけて」と。だんだん色が足りなくなって、そうやって問題に丸をつけていって、それがなくなるまで潰しこんでいきました。

資格スクエアから送られてきた短答問題集を4、5周しましたが、最後の方になると、全体が500問ある中で残りが20問とかになって。問題としては難しいですけど、最後の周回は時間としては楽勝でした。

短答に取り組み始めたタイミングとしては、吉野先生(※資格スクエア予備試験講座6期短答講座を担当講師)の短答講座は2021年の1月とか早い頃から見てました。エッセンスがぎゅっと詰まっててめちゃくちゃ好きだったんです。

本当に短答対策という意味でやり始めたのは2021年の4月からです。

資格スクエアの未来問模試がありますが、そこに照準を合わせると4月から始めれば十分なのかなと思って。そこである程度の点を取れたらちょっと安心するじゃないですか。

あとあまり早くからやると忘れちゃいそうだったのもあります(笑)。4月から勢いでやって、一回忘れる。でもまた口述試験の対策で同じことを使うので、そこで頑張ったことは無駄にはならない。そういう感じで勉強しました。

 

③ 論文の勉強法

過去問を周す、ですね。では、論文式試験の方はどうでしたか?

過去問ってすごくいい問題だし、本番では同じようなこと聞かれる訳でやっぱり大事。過去問講座を見て、過去問を各年度 2 回くらいずつ書いたと思います。

予備試験はちょうどいい量の過去問が揃っているので、それを過去からやっていくうちに「あれ、書けるようになってるぞ」っていう瞬間が絶対来ると思うんです。

模試も多くないし、相対的に自分の位置が分からず不安になるんですけど、その瞬間を目指してやるっていうのが大事だと思います。

直前の時期は、模試などを積極的に受けて戦闘力、現場力を養いました。

ちなみに、論文式試験終了後、合否は不明でしたが、7月からすぐに口述の対策に入りました。予備試験合格という観点で、それもよかったと思います。

 

(2) 高橋様(令和3年予備試験合格・大学生)

次に、大学3年生の時に予備試験に合格された高橋様のインタビューをご紹介します。

この方は大学に通いながら1年半という短期間の勉強期間で予備試験の合格を掴みとった方です。(高橋様のインタビューの全文はこちら

① 勉強の進め方

1年半での合格、おめでとうございます!勉強はどんな風に進められたんでしょうか?

ありがとうございます!

僕は通学時間が片道1時間40分くらいかかるんです。そこでかなり勉強できたのが大きかったなと思います。例えば短答式試験の前なら資格スクエアの短答アプリを使ったり、論文式試験の前なら論証集を覚えたりして。

勉強時間に関してはあまり気にしなくて、質の部分の方を重要視してました。

② 短答の勉強法

短答アプリもご利用頂いていたとのことですが、短答試験の対策についてもう少し教えてください。

短答式試験対策は「過去問」が大事かなと思います。

具体的には、資格スクエアの短答アプリと、あとは資格スクエアで配布された紙の短答問題集を解くって感じでやってました。

電車の中で勉強する時はスマホ一つでできるアプリを使い、自分は紙の方が読みやすいし本番の試験も紙なので、家や図書館などでは紙を使ってと、シチュエーションごとに使い分けていました。

短答対策の開始時期としては令和3年の4月に入った段階から始めて、短答式試験までは短答一辺倒でした。なので、直前期には論文はやらなかったですね。自分は試験までに勉強の時間が間に合いそうになかったので、とにかく「論文は短答の勉強を兼ねる」ということで、論文の勉強をずっとやってきました。それで、短答直前だけ短答対策に専念したんです。

4月まではほとんど取り組まなかったとのことですが、不安になりませんでしたか?

論文の内容が分かっていれば、短答はある程度解けるので。

直前期はアルバイト等がなければ図書館にこもって勉強して、資格スクエアさんから送られてきた短答問題集を5周はしました。掲載された問題はシナリオも答えも全部覚えましたね。

ちなみに本番の得点は173点でした。プラス11点だったので、発表が出るまでは受かったのか受かってないのか微妙だなと感じていましたが・・・。ただ、これで短答に受かっても論文を落としたら意味がないので、論文の方を優先してやってました。

③  論文の勉強法

なるほど。学習初期から論文の学習を重視していたんですね。論文式試験のおすすめ勉強法があれば教えてください。

過去問+論証集」ですね。

まず、過去問以上に本番の問題と同じレベルの問題は絶対にないので、過去問重視でやってました。

あとは論証集なんですけど、覚えるだけじゃあまり意味がなくて、それを理解しないと本番に対応できないですし、あまり長々と論証を書いていると時間がなくなってしまうんですよね。自分で理解して必要なものだけ切り取って、そこを本番で使うっていうことが大切になってくると思うので、理解することが絶対必要かなって思います。

過去問は実際にどれくらいのボリュームをやりましたか?

自分は時間がなくて過去問は1周しかやってないんです。最初の頃は過去問をやっても絶対に書けないので、講義を聞いて論点が分かった上で答案を書いてみていました。どっちにしても書けないんですけど・・・。

過去問の3年目4年目をやるくらいでだんだん書けるようになってきたので、そうしたらちょっと答案構成をしてみて、講義を見て、その後自分でちゃんと書いてみるという形でやっていました。だから100通を超えるようなボリュームで論文を書いていた感じではないんです。

それで合格されているのはすごいですね!論証集用の学習はどのように進められたんでしょうか?

論証集は特に出やすい論点だと思うので、そこの部分を重点的に基本書を読んで理解していきました。

判例の規範をそのまま書いてあるのはさすがに覚えないと仕方ないので、それは完璧に覚えて。判例の規範ではなく、違った規範を使ってみるみたいなものは、その文をそのまま使わなくてもいい訳なので、一言一句覚えるのではなく自分の言葉で表現できるようにしていました。

勉強で苦労したことは何かありましたか?

自分は「会社法」の勉強に苦労しました。取っつきづらい科目で、最初はすごい嫌いだったんです。

それと、短答の勉強としてずっと条文の素読をやっていたんですね。これでかなり時間を無駄にしたなと・・・。

ゼロから会社法の勉強をやり直すとしたら、とにかく、問題を解くことを大切にしようと思います。

短答の勉強をする際には、短答の過去問を解きながらその答えを覚える。×だった場合は×だった理由を覚える。そして、それに関連する条文を読んでいけばいい訳で、最初から最後まで全部素読することはおすすめできないですね。

 

資格スクエアでは、予備試験に合格された利用者様の貴重な『生の声』を多数紹介しております。

 

今後の学習方の決定や、司法試験対策に苦しくなった時に役立つ経験談が満載ですので、

是非こちらもご覧ください。

 

 10 サマリー

いかがだったでしょうか?

一言で『司法試験の合格者』といっても、司法試験を受けるまでのルートは多種多様です。

それぞれのルートで合格率やメリット・デメリットは異なります。

これかた司法試験を受験しようと考えている方は、各ルートごとの特徴をしっかりと把握した上で、自分にあったルートを選択しましょう。

 

その際には、実際に合格した方の生の声を聞くことも非常に重要です。

 

しっかりと情報を収集した上で、自分が合格した後のことをイメージしながら勉強をすることができたらいいですね。

11 まとめ

  • 司法試験の合格者は毎年1,500人程度。2021年の合格率は41.5%になった。
  • 現在では司法試験浪人をする方は少数派。短期集中的な勉強戦略を立てることが必要である。
  • 司法試験を受験するためのルートは予備試験合格か法科大学院進学かの2つのルートがある。
  • 予備試験ルートの司法試験合格率は非常に高い。2021年にはなんと90%を超えた。
  • 社会人でも仕事やプライベートの時間と両立しながら司法試験を目指すことができる。
  • 司法試験対策には合格者の生の声を聞いて情報収集をすることが重要。

 

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