司法試験の合格発表はいつ?最新の日程・配点・合格点も含めて解説!

司法試験

この記事では、令和4年司法試験の合格発表の流れや最新の令和3年度司法試験の結果について解説しています。

令和4年司法試験を受験される方は今回の記事を参考に今後の流れを掴んでいってください。

また、そうでない方も令和3年司法試験の結果を参考に、今後の受験方針やそもそも受験するかどうかという点を考えてみてくださいね。

ぜひ最後までご覧ください。

1 令和4年司法試験の日程一覧表

以下の表は令和4年の司法試験の実施から合格発表以降の流れを示したものです。

 

5月11日 司法試験論文式試験(選択科目・公法系科目)
5月12日 司法試験論文式試験(民事系科目)
5月13日 (中日)
5月14日 司法試験論文式試験(刑事系科目)
5月15日 司法試験短答式試験(民法、憲法、刑法)
6月2日 短答式試験成績発表
6月上旬 短答式試験成績通知書発送
9月6日 合格発表
9月28日 官報公告
9月中旬 合格通知書兼成績通知書発送
9月末 合格証書授与

(参照:法務省『令和4年司法試験 受験案内

 

司法試験の合格発表は試験が終わってから3ヶ月近く空きます。

ここで注意すべきなのは、試験の終わった開放感から、合格発表前後に予定を入れてしまうこと。

後述する通り、司法試験の合格発表後は各種手続きで忙しくなるので、スケジュールを組む時は予め合格発表後の手続きを把握してからにしましょう。

 

2 合格発表の流れは?

以下、司法試験が終わった後、短答式試験の成績発表後の流れを解説していきます。

 

(1) 短答式試験成績発表(令和4年6月2日)

まず、司法試験の全試験日程を終えて約2週間たつと短答式試験の成績発表がなされます。

短答式試験の不合格がこの時点で発覚すると、この年の司法試験の不合格が決まります。

成績の掲示場所は法務省のホームページです。

掲載時刻は16時を予定しています。

合格発表とは異なり、短答式試験の成績発表では合格者の受験番号が一覧として表示されるわけではありません。

掲示されるのは、合格最低点や受験生の得点状況などのデータのみです。

実際に自分が短答式試験に合格したかどうかが分かるのは、成績通知書が発送されるのを待つことになります。

(2) 短答式試験成績通知書発送(令和4年6月上旬)

短答式試験の成績発表後に、葉書サイズの短答式試験通知書が予め指定した住所に届きます。

通知書の内容は、短答式試験の合否、自分の得点状況、自分の順位が書かれています。

この通知書は、まれに、法律事務所の就職活動の際にコピーの提出を求められるのでしっかりと保存しておきましょう。

(3) 合格発表(令和4年9月6日)

司法試験の全日程を終えてからおよそ3ヶ月後、司法試験の合格発表がなされます。

合格発表方法の詳細は現在定まっていないようで、後日法務省ホームページにおいて発表方法が知らされるそうです。

 

昨年、令和3年度の司法試験においては法務省ホームページに合格者の受験番号を掲示するという方法で発表がなされました。

過去には法務省前の掲示板に合格者の受験番号が掲示されたこともありましたが、今年がどうなるかは、法務省のホームページをチェックする必要があるでしょう。

なお、電話による合否の問い合わせには一切応じていないので注意する必要があります。

(4) 官報公告(令和4年9月中旬)

合格発表後、官報に司法試験合格者の氏名が掲載されます。

どの官報に司法試験合格者の氏名が載るのかは、予め法務省のホームページにて掲載されるので注意しておく必要があります。

官報は、各都道府県における官報販売所において、定期購読や事前予約によって入手することができます。

発行日当日に官報販売所で官報を購入しようと思っても、予備部数がわずかにあるだけなのですぐに売り切れになってしまいます。

特に、国家試験の合格者の氏名が掲載される官報は購入申し込みが殺到します。

 

自分の氏名が掲載された官報を記念に購入したい方や、同期の氏名を知りたい方は事前予約することをおすすめします。

なお、官報の中身を見るだけなら、インターネット版官報を使うことで無料で閲覧することができます。

(参照:インターネット版官報

 

(5) 合格通知書兼成績通知書発送(令和4年9月中旬)

司法試験の合格発表後、予め登録しておいた住所に合格通知書兼成績通知書が発送されます。

短答式試験のものと同様、通知書のサイズは葉書くらいです。

通知書の内容も、短答式試験の通知書と同様、司法試験の合否、自分の得点状況、自分の順位などが書かれています。

 

法律事務所に弁護士として就職する場合、大抵、この通知書のコピーの提出を求められるので無くさないように大切に保管しましょう。

 

また、この通知書は、この後の合格証書授与でも使うので、法律事務所への就職を考えていない人も大切に保管してください。

(6) 合格証書授与(令和4年9月末)

司法試験に合格すると、司法試験委員会より、司法試験に合格したことを証明する合格証書が交付されます。

法律事務所によっては所属弁護士の合格証書を壁に飾る事務所もあるので、この合格証書は確実に入手する必要があります。

 

ここで注意することがあります。

今までの通知書は、何もせずとも司法試験委員会が発送してくれましたが、合格証書だけは合格者が自ら手続きをしなくては入手することができません。

 

以下手続きを説明します(なお、以下の手続きは昨年までの情報に基づいて記載しています。今後変更されることも十分ありますので、法務省のホームページを確認することをおすすめいたします)。

 

まず、用意するものは以下の通りです。

 

・表に赤字で『合格証書郵送希望』と記した封筒(以下、『封筒①』といいます)

・合格通知書写し(合格通知書面・宛名面の2面)

・6ヶ月以内に作成された戸籍謄本、または 本籍もしくは国籍の記載のある住民票

・返信用封筒(角形2号[​​縦 33.2cm,横 24.0cm 程度](以下、『封筒②』といいます)

・460円分の郵便切手

 

以上を用意したら、まず、『封筒②』に460円分の郵便切手を貼り、合格証書の送付先住所、氏名、郵便番号を明記します。

その『封筒②』と、合格通知書の写し、および、戸籍謄本または住民票を『封筒①』に入れます。

最後に、『封筒①』を司法試験委員会宛に発送すれば、合格証書を受け取ることができます。

通常、合格証書を受け取ることのできる期限は、合格通知書が届いてから日があまりないことが多いです。そのため、予め準備をしておくことをおすすめいたします。

(参照:法務省『令和3年司法試験合格証書の交付について』)

 

(7) 司法修習の手続き

司法試験に合格した年に、司法修習にいく場合、司法試験の合格発表後は司法修習に参加するための手続きで慌ただしくなります。

 

例えば、令和3年の場合、司法試験の合格発表は9月7日(火)にありましたが、司法修習に参加するために最高裁判所に提出する必要のある『司法修習生採用選考申込書』の締め切りは1週間後の9月14日(火)でした(消印有効)。

 

司法修習の参加に必要な書類は、合格発表の前から最高裁判所の司法修習生採用選考ページに掲示されています。合格発表後に慌てないように、合格発表前から予め確認しておきましょう。

(参照:裁判所『司法修習生採用選考』)

 

そして、無事、司法修習に参加することが出来たら、同年の11月から翌年までの約1年間を司法修習生として過ごすことになるのです。

(参照:司法研修所事務局『令和3年度(75期)司法修習生採用選考申込者 各位』)

 

なお、司法修習は、司法試験に合格した年に必ずいかなければならないものではありません。自分の都合がつかない時は、翌年以降の司法修習に参加することも可能です。

3 令和3年司法試験の結果と合格点等の推移

(1) 令和3年司法試験の結果は?

① 令和3年司法試験の受験者数

令和3年度の受験者は、3,424人でした。令和2年度では3,703人、令和元年度では4,466人だったので受験者数は減少傾向にあります。ただし、令和5年度司法試験から法科大学院在学中の受験が可能になるため、将来的には受験者数は増加する見込みがあります。

 

② 令和3年司法試験の合格者とその内訳

令和3年度司法試験の合格者数は1,421人でした。令和2年度の合格者数は1,450人、令和元年度では1,502人だったので、合格者数はやや減少している傾向にあります。

ただし、令和3年度の合格率は41.50%と令和2年度の39.16%、令和元年度の33.63%と比較すれば上昇しているため、合格率としては上昇傾向にあります。

上述の1,421人の合格者のうち、司法試験の受験回数が1回目である合格者は1,024人と全合格者に占める割合では約72%となりました。

令和2年度司法試験では合格者1,450人のうち、受験回数が1回目の人は960人と全合格者に占める割合では約66%であり、1回目での合格者の割合が増加しています。

令和3年 令和2年
合格者数 割合 合格者数 割合
1回目 1,024 72.1% 960 67.6%
2回目 173 12.2% 222 15.6%
3回目 101 7.1% 126 8.9%
4回目 76 5.3% 85 6.0%
5回目 47 3.3% 57 4.0%

毎年注目される予備試験合格経由の司法試験合格者ですが、令和3年度司法試験では予備試験合格者400人のうち、374人が合格しました。割合では93.50%となっています。令和2年度では89.36%ほどであったので、ついに9割を超えたことになります。また、記の受験者全体の合格率と比べても予備試験合格者は司法試験において合格率が非常に高いということがわかります。

(2) 司法試験は何点取れば合格できる?

これまで司法試験の合格発表後の流れを解説してきましたが、各種の準備をするために、出来れば合格発表前に自分の合否を予想しておきたいですよね。

そこで、ここからは、司法試験の配点や、合格点、足切りについて解説していきます。自己採点の際には参考にしてみてください。

① 司法試験の配点

司法試験の論文式試験・短答式試験の各科目の配点は以下のようになっています。

論文式試験 選択科目 100点
公法系科目第一問(憲法) 100点
公法系科目第二問(行政法) 100点
民事系科目第一問(民法) 100点
民事系科目第二問(商法) 100点
民事系科目第三問(民事訴訟法) 100点
刑事系科目第一問(刑法) 100点
刑事系科目第二問(刑事訴訟法) 100点
短答式試験 憲法 50点
民法 75点
刑法 50点

 

論文式試験の満点は800点であり、短答式試験の満点は175点です。

論文式試験と短答式試験の総合得点は少し特殊です。

単純に両試験の点数を合算するのではなく、以下の算式に基づいて計算されます。

 

『​​算式 = 短答式試験の得点 + ( 論文式試験の得点 × 1,400 / 800)』

 

この算式によると、司法試験の総合得点の満点は1,575点となります。

(参照:法務省『​​司法試験における採点及び成績評価等の実施方法・基準について』)

 

② 短答式試験の合格点

まず、各年の短答式試験の合格最低点は以下のようになっています。

試験年度
合格最低点(短答式試験)
2018 108
2019 108
2020 93
2021 99
2022 96

こうして見ると直近5年の合格最低点は93点〜108点の間と言えます。すなわち、約6割得点することで短答式試験に合格することが出来ると言えます。

 

一方、短答式試験合格者の平均点は以下のようになっています。

試験年度
合格最低点(短答式試験)
2018 128.1
2019 129.3
2020 118.1
2021 126.4
2022 123.3

 

短答式試験合格者の平均はおよそ120点〜130点であり、およそ7割得点していることがわかります。

 

司法試験の最終的な合否は総合得点で決まります。周りの受験生に差を付けられないためにも短答式試験では7割以上の得点率を目指すべきと言えます。

 

また、短答式試験には『足切り』があります。

足切りラインは各科目の配点の40%に設定されており、1科目でも以下の点数に満たないと即不合格になります。

 

科目 足切り点
憲法 20点
民法 30点
刑法 20点

(参考:法務省

③ 論文式試験の合格点

論文式試験の合格最低点は公表されていません。一方で総合得点の合格最低点は以下のように推移しています。

試験年度 合格最低点(総合得点)
2017年 800点
2018年 805点
2019年 810点
2020年 780点
2021年 755点

 

仮に短答式試験が120点だった場合、論文式試験でおよそ700点を獲得すれば合格できると言えます。

この700点は総合得点を計算するために用いる前述の算式を用いた後の点数です。

 

それでは、論文式試験の8科目800点満点中だといくら得点すればいいのかというと、400点得点すれば合格できる計算になります。

 

つまり約5割の得点率で合格することが可能と言えます。

 

また、論文式試験にも『足切り』があります。足切りラインは各科目の25%に設定されています。

(参考:法務省

 

④足切りについて

受験生にとって恐ろしい『足切り』ですが、毎年どのくらいの人が足切りにあっているのでしょうか?

足切りの人数の推移を以下にまとめました。

 

試験年度 短答式試験(憲法) 短答式試験(民法) 短答式試験(刑法) 論文式試験
2017年 222人 303人 193人 343人
2018年 94人 375人 159人 188人
2019年 180人 82人 368人 251人
2020年 47人 435人 376人 181人
2021年 75人 189人 147人 229人

 

以上のように足切りの人数は年によってバラツキがあります。詳しく見ていくと、論文式試験に比べて、短答式試験で足切りになってしまう人が多いようです。

この理由として足切りラインが短答式試験の方が高いことが挙げられます。

では、司法試験受験生が足切りにならないようにはどうしたら良いでしょうか?

 

まず、一番大切なのが苦手分野を作らないこと。

模試や答練を上手く活用し自分がどの科目で得点出来て、どの科目で大きく失点しているかを見極めましょう。あとは、苦手分野を徹底的に対策してください。

司法試験にが合格する人は得意な科目がたくさんある人よりも、苦手な科目がない人である、と言われるためです。

 

次に、短答式試験の対策をしっかりしましょう。

特に短答式試験は時間にシビアな試験です。本番で緊張して短答式試験で時間配分をミスした、という事例は多数見られます。

事前に本番同様の環境で練習することが重要と言えます。

 

そして、論文式試験の中では選択科目に特に注意しましょう。

選択科目は多くの受験生にとって対策が手薄になりがちな科目です。

司法試験は全受験生の中で相対的に上位に入れば合格できる試験ですから、選択科目で大量得点を狙う必要はありませんが、最低限足切りにならないように注意して勉強をしましょう。

(参考:法務省

4 サマリー

いかがだったでしょうか。今回の記事で説明したような流れで令和4年司法試験の合格発表は進んでいきます。また、合格点や令和3年の司法試験の結果についても現在学習している方にとっては参考になったのではないでしょうか。ぜひ今後の学習も頑張ってくださいね。

5 まとめ

  • 合格発表後は各種手続きで忙しい!予め準備をしておく。
  • 合格通知書兼成績通知書は就活で使うため、大切に保管しておく。
  • 司法修習に行く方は最高裁判所のサイトを確認しておく。
  • 令和3年司法試験では受験者数は減少、合格者はやや減少し、その結果合格率はやや上がった。
  • 令和3年司法試験では受験1回目での合格率が上がった。また、予備試験合格者の司法試験合格率は93.5%と非常に高い結果となった。
  • 令和3年司法試験の合格者の中には、高校在学中の合格者もいるなど、早期に勉強をスタートして合格する方もいる。
  • 司法試験に合格するには短答式試験7割、論文式試験5割の得点が必要。
  • 特に短答式試験では足切りに注意。
  • 足切りで不合格とならないためには、苦手科目を作らないこと、短答式試験対策についても気を抜かずに行うこと、論文式試験では選択科目もしっかりと対策することが大切。
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