予備試験の再現答案とは?自己答案との『ズレ』を把握し合格レベルに引き上げる

予備試験

司法試験・予備試験』の世界では、さまざまな勉強法についての情報がSNS上でも溢れかえっています。どの情報を自らの学習に取り入れるべきか悩まれることもあるのではないでしょうか。

特に、成績が伸び悩んでいる時期は藁をもすがる思いですよね。

論文式試験は、司法試験・予備試験の天王山ともいわれるほど難易度が高く誰もが苦戦することになります。また、論文式試験にはさまざまな対策がありますが、合格レベルに到達するために有効な方法とはいったいどのようなものなのでしょうか?

数ある論文式試験対策の1つとして、『再現答案』があります。司法試験・予備試験受験生であれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

司法試験・予備試験が初受験であり、これから論文式試験対策に取りかかろうとしている場合「再現答案っていったい何?どうやって使うの?」と思われる方も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、再現答案とその活用の際のメリット・デメリットのほか、有効活用の方法に至るまで詳しく解説していきます。

是非、ご参考になさってくださいね。

1 再現答案とは

再現答案とは、実際に受験した人が本番の試験で書いた答案を記憶を辿って再現した答案のことをいいます。インターネット上で個人の方が自身の再現答案を公開しているほか、予備校などでは、再現答案を集めて書籍化したものも販売されていますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

予備校によっては、再現答案を用いた講義もあり、論文式試験対策として非常に有効なものといえます。

合格レベルの受験生が書いた答案と自分が作成した再現答案を比較します。

「何をどのように書けばどの程度の評価がもらえるのか」「致命傷となるようなミスをしていないか、許容範囲はどの程度のものなのか」など、出題趣旨や各レベルの答案と比較対照しながら分析し、以降の学習に活用するものです。

つまり、自分の合格レベルの過不足を知るための有効なツールであるともいえますね。

2 再現答案を活用するメリット

司法試験・予備試験の初受験を志す受験生にとっても、論文式試験受験経験者であっても再現答案を活用するメリットに違いはありません。

“合格するために必要なレベルを知ることができる”

初受験を志す受験生の方にとっては、合格レベル感を把握し必要最低限の合格レベルに到達することを目標として活用できる点がメリットとなりますよね。

一方で、論文式受験経験者の方にとっては少し辛い作業になるかもしれませんが、自分の弱点を知ることができるツールとして、次年度合格を目指し活用できる点がメリットとなります。

司法試験においても予備試験においても、論文式試験を制することが合格への近道となります。したがって、演習量を出来るだけ多くこなし合格答案との『ズレ』を把握・克服して合格を目指しましょう!

合格者の多くが論文演習を相当量こなしていることは言わずと知れた事実ともいえますよね。「何度も書いて何度も失敗して改善する」このような地道ともいえる勉強が功を奏する といっても過言ではありません。

3 再現答案を活用するデメリット

再現答案は、文字通り試験当日に書いた答案の再現です。

しかしながら、再現答案は模範解答ではありません。

司法試験・予備試験の試験本番はどのような状態であると想像できるでしょうか。多くの受験生が試験官がいる監視下で時間制限に追われ、「もし落ちたらどうしよう・・・。」などの緊張状態にあり、さまざまな影響を受けることは想像に難くありませんよね。

たとえ試験当日に再現答案を作成したとしても、自らの書いた答案を、必ずしも誰もが完璧に再現できるわけではありません。

最近では、インターネット上でも再現答案を公開している受験生もいますが、優秀な答案であってもあまり鵜呑みにするのはリスクを伴うことも、心に留めておきましょう。

一方で、予備校の出版している再現答案集では、不足部分などについて講師のコメントが記載されていますので、正確性が担保されているといえます。「優秀答案であってもどの部分が不足だったのか」などを分析される際に参考にされることをおすすめします。

再現答案を活用される際は、この辺りも頭の片隅に置いておいてくださいね。

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4 再現答案の活用

例えば、「この部分の問題提起甘かったな・・・。」「この判例の引用が不正確だな・・・。」など本試験における反省点は多かれ少なかれあるものです。

それらを知るためにも、自身が実際に試験当日に書いた答案を出来るだけ忠実に再現することが大切です。

ただし、前述のとおり、極度の緊張状態で試験に挑むのですから、記憶は曖昧の可能性が高いですし、時間が経てば記憶が美化されるということも人間の性として少なからず起こり得るのではないでしょうか。以上のことから、試験終了後、直ぐに再現答案を作成されることをおすすめします!

◆自分の書いた答案と優秀答案・出題趣旨を比較・分析し『ズレ』を抽出し改善していく

→今後の勉強の指針となる

再現答案の効果的な活用方法は、これに尽きるといっても過言ではありません。具体的にどのように活用すれば効果的なのでしょうか。

論文式試験受験未経験者と論文式試験受験経験者で惜しくも不合格となった受験生とでは活用方法が少し異なります。

〈論文式試験未経験者〉

  • いきなりハイレベルな答案を目指すのではなく、合格に必要な最低限のことが漏れなく書けているか見極める(ズレを把握する)

→合格レベル答案までの距離を掴む。徐々にレベルを上げていく

〈論文式試験受験経験者〉

  • 自分の答案と合格答案(ランク別)を比較し、ズレ(距離)を把握(敗因分析)する
  • 得意科目はハイレベル答案を狙い、不得意科目は合格レベル答案を目指すのもあり

→合格答案またはハイレベル答案までの距離を掴む

また、予備校の過去問答案例はハイレベルですが、「こんな完璧に書けない・・・レベル違いすぎる。」などと不安にならなくても大丈夫です!実力が備わっていない段階で、ハイレベルを目指すことがかえって不効率となることも考えられるからです。

必要なのは、「合格レベル答案到達」ですから、まずはこのレベルを目指して効率良く勉強を進めていってくださいね。

 

5 サマリー

再現答案は、司法試験・予備試験の合格を掴み取るためには欠かせないツールであることがお分かりいただけたのではないでしょうか。自分自身のレベル感を把握し、不足部分については補うことが合格への近道といっても過言ではありません。合格レベル答案に引き上げるツールとして活用されてみてはいかがでしょうか。

6 まとめ

  • 再現答案は、実際に受験した人が本番の試験で書いた答案を記憶を辿って再現した答案のことをいう
  • 再現答案を活用するメリットは、“合格するために必要なレベルを知ることができる”論文式試験対策に有効なツールである
  • 再現答案を活用するデメリットは、さまざまな影響を受けるため完璧な答案ではない(模範解答ではない)ので、あくまでも参考程度に留めよう
  • 再現答案の活用法は、自分の書いた答案と優秀答案・出題趣旨を比較・分析し『ズレ』を抽出し改善していくこと(今後の勉強の指針とする)

 

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