独学で宅建試験に合格するためには、テキスト・問題集(以下テキスト)の選び方が大きく影響します。自分のスケジュールやタイプに合わないテキストだと、スムーズに勉強が進まず合否に関わる可能性もあるでしょう。
本記事では、宅建試験に向けておすすめのテキスト10選と、それを使った効果的な勉強方法をご紹介します。ぜひ試験勉強の参考にしてみてください。
1 宅建の勉強にはインターネットよりテキスト・問題集の購入がおすすめ
宅建試験の勉強は、インターネットよりテキストを使用した勉強方法をおすすめします。その理由は主に以下の通りです。
・正しい情報である可能性が高い
・情報が体系的にまとめられている
・法改正に対応している
それぞれ詳しく解説していきます。
(1) 正しい情報である可能性が高い
宅建試験向けのテキストは、その多くが大手の予備校による編集・出版です。万一のことがない限り、信頼できる正しい情報である可能性が高いです。宅建情報を発信しているサイトもたくさんありますが、試験内容を全て網羅しているものは少なく、情報の出所が不明確なケースも少なくありません。つまり、必ずしも正しい情報とは言い切れないのも事実なのです。
そのため、テキストをもとに勉強をした方が、内容の正確性に信頼がおけます。
(2) 情報が体系的にまとめられている
大手の予備校などが出版しているテキストは、今までのノウハウを活かして分かりやすくまとめられています。
一方でインターネットによる勉強だと、断片的に書かれた情報をいくつもかき集めて勉強しなければいけません。効果的に時間を有効に使うためにも、テキストを活用する方が得策です。
(3) 法改正に対応している
独学で宅建試験の勉強をすることが難しい原因のひとつに、法改正への対応が難しい点が挙げられます。この問題は、最新版のテキストによる勉強を選択すれば解決できるでしょう。
大手の予備校が出版したテキストなら、最新の法改正に対する内容も十分にカバーしているはずです。当初からテキストで勉強しておけば、法改正に関する情報収集や見つけた情報の正誤確認の必要がないため、勉強に集中することができます。
2 宅建のおすすめ人気テキスト・問題集10選
宅建試験合格を目指すには、まず自分に合ったテキストと問題集を選択することが重要です。しかし、多くのテキストから自分に合ったものを探すのは決して簡単ではありません。
そこで、人気のテキストからおすすめの10シリーズをご紹介します。内容を確認し、自分に合ったテキストと問題集を探してみましょう。
(1) みんなが欲しかった! 宅建士シリーズ
「みんなが欲しかった!宅建士シリーズ」はTAC出版によるテキストです。工夫を凝らしているのは以下の6点になります。
・カラーで図解されているため、分かりやすく印象に残りやすい
・インプット・アウトプットを継続して行えるように考えられた構成
・難しい箇所を徹底的に分かりやすくした図表やイラスト
・基本と応用に分けて作られている
・オリジナルキャラが難しいポイントを分かりやすく説明
・各セクションごとにポイントがまとめられている
宅建試験合格のためしっかり作り込まれたテキストなので、人気があるのも納得です。
(2) 宅建士合格のトリセツシリーズ
「宅建士合格のトリセツシリーズ」は、高い宅建合格実績を誇る総合スクールLECが出版しているテキストです。宅建初学者が最初に取るテキストを想定してまとめられています。
具体的な特徴は、以下の6点です。
・多くの図解やイラストを使った編集
・持ち運びがしやすく、どこでも学習できる3分冊セパレート型
・法律に強いLEC独自の民法改正対策
・自分に合ったテキストに仕上げることが可能な「分野別インデックスシール」
・テキストと問題集(『宅建士 合格のトリセツ 基本問題集』)の内容がリンク
・各章に実際の過去問が記載されている
総合スクールLECの豊富な実績をもとに、宅建受験者必要なものをとことん考え抜いたシリーズといえます。
(3) どこでも学ぶ宅建士シリーズ
「どこでも学ぶ宅建士シリーズ」は、累計合格者数約12万人を誇る日建学院の合格ノウハウが詰まったテキストです。合格に直結する重要な箇所を絞り込み、非常に分かりやすくまとめられています。
「どこでも学ぶ宅建士シリーズ」の主な特徴は、以下の5点です。
・「です・ます調」のやさしい解説
・具体例を多様しているため、理解しやすい
・要点が整理されていて、見直しにも最適
・絞り込まれた「一問一答」で理解度チェックもスムーズ
・法改正にも対応済
宅建試験に合格するために、重要な点をぎゅっと絞り込んだテキストだといえます。
(4) わかって合格る宅建士シリーズ
「わかって合格(うか)る宅建士シリーズ」は、TAC宅建士講座が分析した宅建試験の内容を惜しみなく記載したテキストです。わかりやすさを徹底的に追求しているため、宅建初学者の方にもおすすめできます。
「わかって合格(うか)る宅建士シリーズ」の主な特徴は、以下の4点です。
・赤シート対応のフルカラー
・過去12年の過去問で出題された問題にはアンダーラインと出題年数を記載
・宅建試験に出てくる法律の「作られた理由」を解説
・その年に出る問題を予測した厳選過去問プレミアム50を掲載
このシリーズは、宅建試験への対応力を重視して作られています。
(5) 出る順宅建士シリーズ
「出る順宅建士シリーズ」はLEC発行のテキストで、非常に情報量が多いのが特徴です。宅建試験の内容としては重要度が低いと思われる条文の記載もあり、宅建初学者には少し難易度が高く感じられるかもしれません。しかし、直近の宅建試験では合格基準点が上昇しています。より深く勉強するためには、非常に重宝するテキストだといえるでしょう。
「出る順宅建士シリーズ」の主な特徴は、以下の4点です。
・冒頭に「学習のポイント」が記載されていて、学習すべきことが一目で分かる
・出題頻度などで判断された重要度が「ABC」の3段階で記載されている
・関係する必要条文まで記載されている充実の内容
・同シリーズのテキストと問題集がリンクされている
近年の宅建合格基準点の高さと分かり易さを考慮した、充実のシリーズであることが分かります。
(6) スッキリ宅建士シリーズ
「スッキリ宅建士シリーズ」は、「合格までの最短距離を最高の効率で突っ走る!」をコンセプトに作成されたテキストです。明海大学不動産学部教授、中村喜久夫氏による執筆で、非常に分かりやすく使いやすいと人気があります。
「スッキリ宅建士シリーズ」の主な特徴は以下の4点です。
・全体像を把握できる「宅建ワールド攻略チャート」を巻頭に掲載
・具体例を多用しているため、イメージしやすい
・図表やイラストが豊富に使われていて分かりやすい
・分野毎に4冊に分けられて持ち運びやすく、すきま時間を有効活用できる
・学習経験者用に側注も豊富
・初学者から学習経験者まで幅広く対応しているシリーズだと分かります。
(7) らくらく宅建塾シリーズ
「らくらく宅建塾シリーズ」は、「まるで講義」のようなわかりやすさを目指して作られています。そのため、宅建初学者でも比較的分かりやすく覚えやすいテキストといえます。ただし、かなりかみくだいた表現も見受けられ、詳細に学びたい学習経験者には物足りないかもしれません。
「らくらく宅建塾シリーズ」の主な特徴は、以下の4点です。
・堅い法律用語を日常で使う言葉に変換
・ゴロ合せで覚える工夫
・図表を多用しているため、分かりやすい
・最新の試験問題にも対応
宅建初学者向けにわかりやすさを追及している様子が散見されます。宅建初学者にはぜひともおすすめしたい1冊です。
(8) 宅建士基本テキスト「タキザワ講義付き。」
『宅建士基本テキスト「タキザワ講義付き。」』は、タキザワ宅建予備校の代表、瀧澤宏之氏が執筆しているテキストです。「宅建士合格を本気で狙う」をコンセプトに作られています。合格者を多数輩出していることで有名なタキザワ宅建予備校の基本テキストをベースにしているため、合格に必要な知識を網羅していると言っても過言ではありません。
『宅建士基本テキスト「タキザワ講義付き。」』の主な特徴は、以下の4点です。
・瀧澤宏之氏のYouTubeと併せることで予備校と同レベルの学習が可能
・持ち運びやすいA5サイズ
・タキザワ宅建予備校の「校内テスト」や「質問広場」も利用可能
・民法改正にも完全対応
テキスト代だけで予備校と同じレベルの学習ができるのが大きな魅力です。YouTube(動画)併用で本格的に合格を目指したい方にもおすすめします。
(9) パーフェクト宅建士シリーズ
「パーフェクト宅建士シリーズ」は、読みやすさを重視して作られたテキストです。生講義スタイルの「ですます調」でまとめられており、内容が自然と頭に入ってくるよう設計されています。
宅建初学者にもおすすめのテキストです。
「パーフェクト宅建士シリーズ」の主な特徴は、以下の6点です。
・民法などの趣旨を解説した「ウォームアップコラム」を掲載
・宅建試験の傾向を徹底的に分析したデータを使用した出題実績と攻略法
・重要かつその年狙われやすいテーマと過去の出題ポイントを解説
・図表を多用していて分かりやすい
・重要度を4段階で表示
・法律に馴染みのない方向けに「法律用語かんたんナビ」付き
法律に馴染みのない方にも比較的簡単に理解できるよう工夫されているシリーズです。
(10) ゼロからスタート! 水野健の宅建士1冊目の教科書
「ゼロからスタート!水野健の宅建士一冊目の教科書」は、豊富な宅建合格実績で知られる総合スクールLECの名物講師、水野健氏が執筆しています。特筆すべきはボリュームの少なさです。しかし、決して内容が薄いわけではありません。試験に出る重要な所だけを圧縮しているため、非常に分かりやすいテキストに仕上がっています。
「ゼロからスタート!水野健の宅建士一冊目の教科書」の主な特徴は、以下の4点です。
・重要ポイントが圧縮されていて分かりやすく学習しやすい
・図表が多く文字数がとても少ないため、見易い(文字数は800字弱)
・一項目見開きで左側に文章、右側に重要ポイントがまとめてある
・実際の業務の流れに沿うように試験に必要な知識が記載されており、分かりやすい
上記の中でも、実際の業務に沿った知識の習得は、他のテキストにはない強みです。この工夫により、宅地建物業務未経験者でも難易度の高い箇所をスムーズに理解することができます。
3 宅建のテキスト・問題集を使った効果的な勉強方法
自分に合ったテキストや問題集を選び、しっかり勉強してこそ意味があります。やみくもに勉強するだけでは効率もよくありません。
そこで、以下の3点の段階における効果的な勉強方法をご紹介します。
・基礎を固める
・過去問対策
・直前対策
全て確認し、試験勉強の参考にしてみてください。
(1) 基礎を固める
基礎知識を養ううえで大切なのが、テキストを繰り返し読むことです。最低でも2回以上は読むようにしましょう。テキストを読む際は、以下のことを意識してみてください。
1回目 | 全体像をつかむために、ひと通り目を通すイメージで読みます。多くの人は、最初から記憶しようとして挫折しがちです。「ざっくりと内容を理解する程度」を心がけてください。 |
2回目 | 1回目と異なり、記憶するよう意識して深く読み込みます。独学の場合は、間違った覚え方をしていないか注意してください。 |
上記が終われば、問題集で記憶した知識の定着度を確認します。その際、テキストとリンクした問題集を選ぶことで、より効率よく学習することが可能です。
(2) 過去問対策
宅建試験において、過去問対策は欠かせません。その理由は、宅建試験は数ある国家試験の中でも過去問の類題が出されやすい試験だからです。徹底した過去問対策により、合格にも近づけるはずです。
また過去問対策では、重要度が高い問題を集中的に解くことが大切です。したがって過去問題集を選ぶ際は、重要度別に分けられているものを選ぶとより効率的に学習できます。
(3) 直前対策
試験直前は、予想問題集で知識の定着度や実力を確認することをおすすめします。確認すべきことは、主に以下の4点です。
・最新の統計問題対策
・制限時間内に全問題を解き終わるかの確認
・理解できていない箇所はないかの確認
・視点を変えた問題にも対応できるかの確認
最新情報や知識の定着具合を見極めるのはもちろんのこと、制限時間にも配慮することが大切です。勉強したことを活かして時間内にアウトプットすることができれば、宅建試験の合格も決して難しいものではありません。
4 まとめ
独学で宅建試験に合格するためには、自分に合ったテキストと問題集を選ぶことが大切です。
本記事では、人気が高いテキストの中からおすすめの10シリーズとそれを使った効率的な勉強方法についてご紹介しました。それぞれの特徴を確認し、自分に合うかどうか見極めましょう。必要であれば書店で手に取って確認することも大切です。ぜひ参考にしてみてください。